2023.04.13
食事についてのご相談
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
先日、基礎疾患をお持ちのご利用者様から普段の食生活についてのご相談を受けました。
「かかりつけ医の先生から普段の食生活を気をつけなさいと言われた。」
「でも、何を食べていいのか、反対に食べてはいけないものとかがよくわからない。」
そこで、あいむに所属する管理栄養士さんに依頼をし、ご利用者様に食事や栄養についてのアドバイスをさせていただきました。
ご利用者様には基礎疾患の特徴に合わせて、食事で積極的に摂取したほうかよい食べ物や、反対に避けた方がよい食べ物、㏠の栄養バランス等を表や写真を使用しご説明をさせていただきました。
同席していた私も大変勉強になる内容でした。
後日ご利用者さまは
「栄養士さんとのお話ができてよかったです。」
「栄養士さんのお話を聞いてから、バランスを考えながら食べることを意識しています。」
とお話をしてくださいました。
毎日当たり前のようにとっている食事から、私達のカラダ、健康は作られます。
そのため、食事は栄養を与えるという大切な役割を果たしています。
こちらは農林水産省と厚生労働省が策定した「食事バランスガイド」です。
毎日の生活の中で、「何を」「どれだけ」食べたらよいか考える際の参考になるよう、食事の望ましい組み合わせとおおよその量をイラストでわかりやすく示したものです。
農林水産省や厚生労働省のホームページには「食事バランスガイド」についての詳しい説明や活用方法が記載されております。
自分にとっての適量目安を手軽に知るために「食事バランスガイド」を活用するのもよいかもしれません。
(ここでお願いですが、「食事バランスガイド」は健康な方を対象に々の健康づくりを目的に作られたものです。糖尿病、高血圧などで医師または管理栄養士から食事指導を受けている方はその指導に従うようお願いいたします。)
健康な毎日を過ごすためには、食事・睡眠・運動の3つの要素が大切と言われています。
「これだけ食べれば」「どれが良い」ではなく「バランス良く」食べて、心身ともに健康で元気に過ごしたいですね。
2023.01.31
ひっぱらなくても……
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
先日、体験にこられた方がこう仰いました。
「最近立ち上がるのが大変になってきてしまいました。」
その方はもともと、杖を使用され歩行されていた方ですが、長年「非麻痺側」で「がんばる」動作を繰り返していたところ、非麻痺側のお膝を痛めてしまいました。
そのため、今は歩くのも大変になってしまい、車いすを使用して移動をされています。
脳卒中後遺症のため、麻痺側に上手く体重をのせられずに、手すりを引っ張って立ち上がりを行う方はよくお会いします。
その方も「ぐっと」非麻痺側で手すりを引っ張り、手すりにぶら下がるような姿勢で立ち上がりをされておられました。
手すりをひっぱってしまうため、両足に体重がのらず、手の力を使っての立ち上がり動作でした。
そこで、リハビリでは非麻痺側でひっぱらなくても立てるような動きを一緒に行いました。
またご自宅でできる課題として、椅子に座って両手でのテーブル拭きをご提示し、練習をいたしました。
何回が行うと、両手が前へ伸びると両足に体重がのりやすくなり、そうするとお尻が自然の浮いてきました。
「あ、手が前に行くとなんか両足に体重が移動します。」
「そうするとお尻が浮いてきますね。」
慣れるまでは、動作の誘導を行いましたが、そのうち感覚がつかめてくると、ご自身で立ちあがることができました。
「いつも手すりを引っ張りすぎていました。引っ張らなくても立ち上がることができるんですね。」
「引っ張らないから、いつもより楽に立てます!」
と、うれしそうに仰いました。
「タオルでテーブルを拭くのなら家でもできるから、がんばります!」
自宅での練習にも前向きでした。
お帰りの際には「いい方の手の使い方で動作がこんなに変わるなんて知らなかった。びっくりです。」とニコニコした笑顔でそう感想を述べられました。
立ち上がりは一日に何回もする動作ですので、楽にできることは大切ですよね。
引き続き立ち上がりが楽に行えるようサポートさせていただきます。
2023.01.20
「意外と」「思ったより」
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
「意外とできた!」「思ったよりできた!」とご利用者様がお話をされることがあります。
ある方は、魚焼きグリルの網を洗う時はいつもご家族様にお願いしていたとのことです。
しかし、ふと「もしかしたらできるかも」と思い、やってみたところ、両手を使用して魚焼きグリルの網を洗えたとのことです。
「やってみる前は、どうかなと思ったけど、思ったよりできた!」
「やってみることが大切だね。」
と笑顔でお話をされました。
また、別の方は久しぶりに公共交通機関を利用してお一人で当施設に来られました。
当施設に到着された時に、「久しぶりだったけど、意外とできたね!」とニコニコされていました。
当施設に初めてお越しになった時は、麻痺側の肩が亜脱臼していたため、アームスリングで腕を固定、杖と装具を使用して歩行をされていました。
今は、アームスリングで腕を固定する必要はなく、外を歩くときはスポーツ用のサポータを使用されています。
杖と装具は卒業をされました。
「ちょっとづつだけど、前に進みたい!」とその方はよく仰います。
こちらに最初に来られた時のことを思いだすと、本当に「すごいな」と心から思います。
ご利用者様は様々な潜在性を持っておられます。
「やってみよう!」から「意外とできた!」「思ったよりできた!」を引き出せるようにご利用者様と二人三脚でがんばります!
2022.12.29
今年も沢山の「できた!」に出会いました
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
早いもので今年も残りわずかとなりました。
当施設は2022年12月30日(金)~2023年1月3日(火)は年末年始の休業となります。
12月29日(水)の本日は年内の最終日となりました!
今年も多くの方が当施設をご利用されました。
・外出の時に車いすではなく、杖で歩くことができた!
・外を歩くときに杖なしで歩くことができるようなった!
・部屋の中では装具なしで歩けるようになった!
・一人で電車に乗って好きなところに自由に行けるようになった!
・両手を使って孫と遊べた!
・家族旅行で大浴場に入れて、ゆっくり温泉につかれて気持ちよかった!
・ずっと行きたかった故郷に帰り、故郷の海からいっぱい元気をもらえた!
・仕事に復帰できた!
などなど、ご利用者様の沢山のうれしい「できた!」にスタッフ一同出会うことができました。
ご利用者様の潜在能力に驚かされ、学びの多い一年でした。
あるご利用者様は「今年は行動範囲が広がった一年でした」と振り返られました。
そして「目標がまた見つかった!目標が見つかるのは楽しいね。」と笑顔で話されました。
来年も沢山の皆さまの「できた!」に出会えるようスタッフ一人ひとりが成長してまいります。
来年もご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
来る年の皆様のご健勝とご多幸を祈念申し上げ、年末のご挨拶とさせて頂きます。
脳梗塞リハビリステーション滋賀
作業療法士 小林 奈津子
2022.10.11
座っている時間が長いほど……
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
普段、日常生活でテレビを見ていたり、パソコン、スマホを使用していて「つい長い時間、何時間も座りっぱなしだった。」「気がついたら、ずっと座りっぱなしだった。」はよくあることですよね。
「座っている時間が長いほど死亡リスクが増加する」
どきっとするような一文ですね。
こちらは、京都府立医科大学大学院医学研究科 地域保健医療疫学の講師小山晃英先生らの研究グループが2021年発表したものです。
小山先生の研究グループは、64,456名(男性29,002名、女性35,434名)を平均7.7年間追跡したデーターを用いました。
睡眠時間を除く日中の行動時間は、国際標準化身体活動質問票をベースとしたものを用い、日中の座位時間と全死亡(全ての死因を含む)の関係を、生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)の有無と、余暇時間の身体活動量に分け検討しました。
その結果以下のことが明らかになりました。
①日本人の大規模研究として、初めて仕事中の時間および余暇時間を含む日中の座位時間が長いほど死亡と関係することが明らかになった。
②高血圧、脂質異常症、糖尿病の有無に関わらず、日中の座位時間の長さに伴い死亡リスクは高くなる。また、高血圧、脂質異常症、糖尿病の保有数が増えるほど、死亡リスクが高くなることが認められた。
➂余暇の身体活動量を増やしても、日中の座位時間の長さと死亡の関連を完全に抑制するには至らないことが明らかになった。
この研究では、日中の座位時間を①5時間未満②5時間から7時間未満➂7時間から9時間未満④9時間以上の4群にわけて解析を行いました。
その結果、参加者全体では、日中の座位時間が2時間増えるごとに、死亡リスクは15%増加することが示されました。
生活習慣病がない人は、日中の座位時間が2時間増えるごとに死亡率が13%上昇しました。
生活習慣病があると、死亡リスクはさらに上昇します。
そこで、生活習慣病ごとに見てみると、脂質異常者では18%、高血圧では20%、糖尿病では27%の死亡リスクの増加が認められました。
(出典 京都府立医科大学 プレスリリース 2021年)
さらに生活習慣病(高血圧、脂質異常症、糖尿病)の保有数に応じて、座位時間と死亡の関係は大きくなりました。
生活習慣病の保有数1は死亡リスク18%、保有数2は死亡リスク19%、3つ全て保有している人は42%も死亡リスクが高くなることが示されました。
(出典 京都府立医科大学 プレスリリース 2021年)
「じゃあ、休みの日とかにまとめてジムに行ったりして体を動かす、運動すれば帳消しになるのでは?」と思いますよね。
私もそう思っていました。
しかし、この研究ではさらに身体活動量が増えると座位時間が長いことによる死亡リスクを下げることができるかを検討しました。
余暇時間中の身体活動(METs:身体活動の強度基準)の量に応じて4群に分けて解析しました。
(出典 京都府立医科大学 プレスリリース 2021年)
上のグラフではQ1がもっとも身体活動量の少ないグループ、Q4がもっとも身体活動量の多かったグループ別の座位時間と死亡率を示したものです。
図の左から右に行くほど、身体活動量が多い人たちということになります。
しかし、糖尿病を除くと、ほとんど死亡率に変化が見られません。
つまり、余暇時間にいくら身体活動量を増やしても、座位時間が増えることで増加した死亡率の増加は解消されなかったのです。
長時間座っている限り、休みの日にまとめて身体活動量を増やしても帳消しにはならないのですね。
ちなみに「身体活動」という言葉はあまり聞きなれないですよね。
「健康づくりのための身体活動基準2013」において、身体活動・運動・生活活動は以下のとおりに定義されました。
「身体活動」:安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動作のこと。
「運動」:身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施し、継続性のある活動。
「生活活動」:身体活動のうち、日常生活における労働、家事、通勤・通学などです。
「余暇の身体活動量を増やしても、座位時間が及ぼす健康影響の減少効果はわずかであることから、成人の座っている時間の短縮を実践することが求められます。」
と、小山先生の研究グループは述べています。
「連続する座位時間を中断することの重要性も報告されているため、こまめに動くことで連続した座位時間をなくす心掛けを持つことが大事だと考えています。」と最後にまとめられています。
ご利用者様の中には「仕事中も、ずっと座っていると足が固まる感じがするから、1時間に1回は立って歩いている」方もいらっしゃいます。
日常生活をしていると「座らない」ということは難しいです。
しかし、「座り続ける」「座りっぱなし」「座りすぎ」は健康を害することが様々は研究でわかってきています。
30分に1回立ち上がり動くと、座りすぎの健康リスクを軽減すると言われています。
無理せず、少しずつ体を動かす機会を増やしていきましょう。
お問い合せはお電話でも承っております。
下記の電話番号までお気軽にお問い合わせください。
脳梗塞リハビリステーション滋賀
077-514-2255
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日除く ]