脳梗塞リハビリステーション滋賀

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 ブログ

2025.10.30

「高いからこそ、迷う。でも、その迷いの先にあったもの。」

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

「おたくは、お値段高いですよね。」

このお言葉をよくいただきます。

 

自費リハビリは、どうしても“高額”です。
1回1〜2万円、月にすると数万円から十数万円。
「もし効果がなかったらどうしよう」という不安は、誰にでもあります。

 

でも実際に体験された方の言葉の中には、
その不安の奥にある“本当の想い”が見えてきます。

 

■退院後の不安と迷い

あるご利用者さまが、こう話してくれました。

「退院するときに、お医者さんやリハビリの担当者からは
『今後もリハビリはつづけてください』と言われました。
でも、どこで、どんなリハビリができるかは教えてもらえなくて。
家族がいろいろ調べてくれて、こちらを見つけてくれたんです。
体験を受けるまでは本当に不安でしたけど、
今は“もっと早く知りたかった”と思います。」

 

この言葉には、
“続けたいのに、つづける場所が見えない”という退院後リハの現実と、
“自分らしくで生きたい”という強い願いが詰まっています。

 

■「損したくない」よりも、「希望を失いたくない」

心理学でいう“プロスペクト理論”では、
人は「損をする痛み」を避けようとする傾向があるといわれます。

 

でも、自費リハビリを選ぶ方の多くは、
“お金を失いたくない”のではなく、
“もうこれ以上、できなくなる自分を見たくない”という想いから一歩を踏み出されています。

 

■不安を希望に変えるには

不安をきれいに消すことは難しいかもしれません。
けれど、**「体験を通して、変化を感じること」**が
その不安を希望に変えるきっかけになります。

 

「ここなら自分に合いそう」と感じられる体験

「専門職がちゃんと見てくれている」という安心

「この先にできるようになるかもしれない」という期待

それが、“高額”の意味を“価値”に変えていく瞬間です。

 

■最後に

「高いからこそ、失敗したくない」
その気持ちは、誰にでもあります。
でも、金額以上の“希望”を感じられたとき、
それはもう“支出”ではなく、“投資”になります。

 

私たちは、
“もう一度、自分らしく生きたい”という想いを、
一緒に形にしていきたいと考えています。

 

「次の一歩」は誰でもとても勇気のいること。

迷いながらでも大丈夫です。

体験の中で、一緒に”これから”を見つけていきましょう。

 

 

2025.10.29

装具の形になった足――感じる力を取り戻すリハビリ ― 足が再び“自分のもの”になっていく過程 ―

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

脳梗塞リハビリステーション滋賀に来られる方の多くは、
「せめて部屋の中では装具を外したい」
「できれば、装具なしで歩けるようになりたい」
と話されます。

 

“装具を使うかどうか”は、単なる道具の問題ではなく、
自分の足で生きていきたいという願いの表れです。

 

■装具の形になった足

リハビリの現場では、装具を長く使っている方の足が、
まるで装具の形のまま固まっていることがあります。

 

内反気味で、足首や中足部の動きが少なく、
足全体がひとつの“かたまり”のようになってしまう。
これは、安全を守るための固定の結果でもあります。

 

けれど、その状態では、足が本来もっている
小さな“たわみ”や“ゆらぎ”――アクセサリームーブメントが失われてしまうのです。

 

■アクセサリームーブメントとは

立ったり歩いたりするとき、足はわずかに動きながら
バランスを取っています。
これが、アクセサリームーブメント。

 

意識して動かせるものではなく、
関節や筋、皮膚が感じ取りながら自然に出る“微細な動き”です。

 

装具を長く使うと、この動きが出にくくなり、
バランスを取るときに不利な体になってしまいます。

 

■足から情報を取り込める準備を

アクセサリームーブメントは随意的に出せません。
だからまず、足を整えることが大切です。

 

足関節や足部のモビライゼーション

皮膚・筋膜の粘弾性を高めるタッチ

足底・足背へのやさしい感覚入力

 

これらを通して、足から情報を取り込める準備をつくります。
足が感じ取れるようになると、立ったときのふらつきが減り、
洗面所やお風呂など日常の立位場面でも安定しやすくなります。

 

そして、高座位などで対称的に立てる環境を整え、
短時間でも装具なしで立つ練習へ。

少しずつ、足の裏から感覚が戻ってくると、
過敏さが減り、お風呂のときに足趾がギュッと曲がる反応も減っていきます。

 

■装具をつけても歩きが変わる

不思議なことに、
装具を外して足を整える練習をすると、
装具をつけて歩いたときの歩き方も良くなることがあります。

 

「足が軽い!」
「前に出やすい!」
そんな言葉を聞くたびに、
“足が再び自分の足として働き始めたんだな”と感じます。

 

■真ん中を見つけるリハビリ

装具は、難しい問題です。
安全を守ってくれる一方で、
からだの働きを制限してしまうこともある。

 

「外すべき」「外さないべき」と
白黒つけることはできません。

大切なのは、真ん中を見つけること。
その人にとっての“ちょうどいい支え方”を、
一緒に探していくことだと思います。

 

装具があることで動けるなら、それでいい。
装具を外すことで、自分の足を感じられるなら、それもいい。

 

どちらの選択にも意味があります。
大切なのは、本人が納得して選ぶこと。
そして私たちは、その選択を支える存在でありたい――
それが、リハ滋賀のリハビリです。

2025.10.28

「『手は動くからリハビリはいらない』-その言葉の奥に隠れていた”指先の感覚”」

滋賀県守山市にあります自費リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

「手は動くから、リハビリはいらないと思っていました。」
そんな言葉から始まった、あるご利用者様との出会いがありました。

 

その方は、脳出血の後遺症で足先や指先に軽いしびれが残っていました。

指は一見よく動いていて、分離運動も可能です。

だから入院中も「手のリハビリ」を受ける機会はほとんどなかったそうです。

 

けれど実際に指の動きを拝見すると、なんとなく違和感を感じました。
そこで、指を開いたり閉じたりする動きを一緒に試してみると、隠れていましたぎこちなさが見えてきました。

 

■ご利用者様の体験

まず取り組んだのは「動かす練習」ではなく、皮膚や関節、骨間の柔軟性をゆっくり引き出すこと。
そのあとに、指を開いたり閉じたりする動きを一緒に行いました。

 

すると――
「指がすごく動きやすい!」
「ぽかぽかしてきた。触ってみてください。ほら、温かいでしょう。」

ご自身の手を差し出しながら、笑顔でそう伝えてくださいました。
「こんな感覚、はじめて」と喜ばれたその表情は、私の心にも強く残りました。

 

■リハビリの視点

リハビリの視点から見れば、これは内在筋のセンサー機能が目覚めた瞬間だと考えられます。

 

内在筋には、指を動かすだけでなく「どのくらい力を入れるか」「どこまで伸びたか」を感じ取るセンサーの役割があります。

感覚障害や筋の硬さがあると、そのセンサーが働きにくくなり、「一見動いているのに、微細な調整が難しい」という状態になります。

皮膚や関節の柔軟性を取り戻し、内在筋を働かせると、血流も改善し、動きと感覚の統合が生まれやすくなるのです。

 

だからこそ、「指が温かい」「感じやすい」とご本人が自覚できたことは、単なる一時的な変化ではなく、自己感覚(自分の手を自分のものとして感じる感覚)の改善を意味しています。

 

■動くことと“感じること”

リハビリは「動きを取り戻すこと」と思われがちですが、本当はそれだけではありません。

動かせるだけでなく、力加減を調整できること。

“自分の手”として感じられること。

その両方がそろって、はじめて生活の中で“使いやすい手”になるのです。

 

■終わりに

脳出血後の後遺症で「動くから大丈夫」とされていた手。
けれど、そこに**隠れていた“感じにくさ”**に光を当てることで、ご本人は新しい喜びを見つけられました。

 

リハビリは、からだを取り戻すだけでなく、
「自分の感覚を取り戻す時間」でもあります。

 

これからもひとつひとつの指先に寄り添いながら、
“感じる手・使いやすい手”を育てていきたいと思います。

2025.10.27

手洗いは、安心をつなぐ

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

最近、気づけば朝夕がぐっと涼しくなってきましたね。
例年よりも早くインフルエンザが流行しており、
これからの季節は風邪や感染症が広がりやすい時期になります。

そんな今こそ、もう一度見直したいのが「手洗い」です。

 

手洗いって、つい、いい加減になりがちですよね。
特にコロナ禍が落ち着いてからは、
「もう手指消毒まではしなくていいか」と思う場面も増えたかもしれません。

 

でも、手を洗うことは自分のためだけではありません。
まわりの人に“安心”を届ける、思いやりの行動でもあります。

そして、パキスタン・アメリカの研究がそれをしっかり証明しています。

 

■パキスタン・カラチでの研究(Lubyら, Lancet 2005)

手洗いの習慣がほとんどなかったパキスタンのカラチで、
900世帯以上を対象にした大規模な調査が行われました。

 

結果は驚くものでした。
石けんで手を洗うだけで、

5歳未満の子どもの肺炎が約50%減少

下痢が53%減少

皮膚感染症が34%減少

しかも、特別な抗菌石けんではなく普通の石けんで十分な効果がありました。
また、家族全員がいっしょに手を洗うことが、子どもたちの命を守ったのです。

 

 

■アメリカ・ミシガン大学の研究(Allison E Aiello et al. PLoS One. 2012.)

次はアメリカのミシガン大学寮で、1,111人の学生を対象にした研究です。
「マスクだけ」「手指消毒+マスク」「何もしない」の3つのグループにわけて、インフルエンザ様の症状がでる

人がどれくらいでるか6週間観察しました。

すると-

 

手指消毒とマスクを併用した学生は、
何もしない人たちに比べてインフルエンザ様の症状が6週間で75%減少。

一方、マスクだけではあまり効果が見られませんでした。
つまり、感染を防ぐ鍵は“手指衛生”にあるということです。

 

■ ふたつの研究が教えてくれる共通点

・感染経路  多くの感染症は「手を介してうつる」=接触感染
・効果    特別な道具ではなく、石けんやアルコールで十分
・習慣化   一時的ではなく「続けること」で効果が高まる
・集団の力  家族・仲間全体で取り組むと感染がさらに減る
・本質    手洗いは、医療ではなく、日常を守る小さな習慣。

 

■手を洗うことは、“安心”を届けること

感染を防ぐというだけでなく、
「この人は清潔に気をつけてくれている」という安心感を、
相手に伝えることにもつながります。

 

それは、医療や介護の現場だけでなく、
家庭・学校・地域のどんな場所でも同じ。

手を洗うことは、“自分を守りながら、誰かを思いやる行動”。
その積み重ねが、社会の安心をつないでいくのかもしれませんね。

 

■おわりに

これから気温が下がり、
体調を崩しやすくなる季節がやってきます。

感染症を防ぐ最も確かな方法は、
高価な薬や特別な技術ではありません。

 

それは―
毎日の手洗い、手指消毒という「小さな習慣」。

パキスタン・アメリカで証明されたこの事実を、
私たちはもう一度、暮らしの中で大切にしていきたいですね。

 

2025.10.24

ただ”動く”だけではなく、生活を”支える手”へ

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

脳卒中の発症から3年。
「手が動かせるようになりたい。もう一度、自分の手で暮らしたい」
その想いを胸に、日々リハビリに取り組まれている方がいます。

 

初めてお会いした時はこう話されました。

「指が曲がるようになりたい」

「”ぐー”ができるようになりたい」

しかし、ただ”ぐー”ができることがゴールではありません。

その力を暮らしにつながる動きへ。

 

そこで、リハビリでは「ただ動かす」だけでなない「生活の中で意味のある動き」

を取り入れました。

 

例えば、タオルをしぼる両手の動きには、
“生活の中で手を使う”ための大切な要素が詰まっています。
力の加減、手のひらの感覚、両手の協調。
そして、「自分の手でできた」という確かな感触。

 

最初は、力の入れ方がつかみにくく、力が弱すぎたり、
反対に強くにぎり込みすぎたりすることがみられました。
それでも、何度もくり返すうちに――
両手でタオルをしぼると、ポタポタと水が落ちる音が聞こえ、
手のひらに伝わる水の重さや布の感触が少しずつ戻ってきました。

その“手応え”が、「できた」という確かな実感へと変わっていきます。

 

そして、今では新聞を持って歩く姿があります。
何気ない動作の中に、
“生活を支える手”が確かに育っています。

 

手が“動く”だけでは、まだリハビリの途中。
その手が“暮らしの中で役割を持つ”ことこそ、
リハビリの本当の目的だと、私たちは考えています。

タオルをしぼる。新聞を持って歩く。
その一つひとつの動作に、
「もう一度、自分の手で生きる」という願いが込められています。

 

今日もまた、
手の中に“暮らし”が戻っていく。
その瞬間を、私たちはそっと見守っています。

 

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