脳梗塞リハビリステーション滋賀

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 ブログ

2025.09.19

片麻痺でも“足を組んで靴下”をラクに──痛みを減らすリハビリの工夫

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

靴下をはく」――毎日のちょっとした動作ですが、片麻痺のある方にとっては大きなチャレンジになることがあります。
特に「足を組んで靴下をはこうとすると、股関節や腰が痛む」というお悩みをよく伺います。

今回は、実際のリハビリの中で「痛みが和らぎ、動きがスムーズになった」エピソードをご紹介します。

 

リハビリに入るまえにご利用者様からこんなお声をいただきました。

「麻痺している足を組んで靴下をはこうとすると、股関節が痛いんです。」

 

「なんで痛みが出るのだろう」

「実際に動きを見てみないとわからない」

こう私は思い、ご利用者様に実際に動きをしてもらい痛みの箇所を確認しました。

 

■効率的な動きと比較

足を組む時は、足を上げる前に反対側のお尻に体重を移動します。

その時は骨盤だけを少し横に傾けて体重を移動します。

ご利用者様は、麻痺側の足を上げる時にこの非麻痺側のお尻への体重移動が十分にできていませんでした。

 

他にも、麻痺側の足や骨盤を空間に保持しておくこと(プレーシング)の弱さ

麻痺側の足を外へひねりながらあげること(外旋)の弱さ

それらが難しく、足をもちあげるために股関節を曲げる筋肉を過剰につかって痛みにつながっていました。

そっとさわると筋肉はパンパンになっていて、ご利用者様も驚かれました。

 

■リハビリで工夫したこと

この方には次のような工夫をしました。

ますは、パンパンな大腿直筋や股関節の筋肉をほぐすストレッチ・モビライゼーション

座ったまま骨盤を左右に傾ける練習(坐骨に体重をのせかえる練習)

足首を少し上に動かす(背屈)ところから動きを始めることで、股関節がスムーズに動くように促す

また、骨盤を傾けるときにはお腹の筋肉も働くので、腰の「固めすぎ」がやわらぎ、背中全体もリラックスしやすくなりました。

 

 

■リハビリ後の変化

再評価のときに、ご利用者様からこんなお声をいただきました。

「足を組むときの痛みがかなり楽になった。動きがスムーズになりました。」
「腰の痛みもあったけど、股関節と一緒にだいぶ楽になったよ。」

リハビリを通して「痛みが軽くなる」だけでなく、「動作が自然にできるようになる」ことを実感していただけたのは、とても大きな成果でした。

 

■さいごに

「ちょっと痛いくらい」と考えがちですが、「痛み」は体からのサインです。

もしかしたら、無理な動きやどこかに過剰な負担がかかっているのかもしれません。

 

「ちょっとした痛みの軽減」が「毎日の生活のしやすさ」につながります。
これからも、一人ひとりに合った工夫で、暮らしを支えていきたいと思います。

痛みでお困りの方、どんなことでもかまいませんので、お気軽にお問合せくださいませ。

 

2025.09.18

「体はつながっている」

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

「足から手へ──感覚は脳を動かす大切な情報」

体はバラバラに動いているように見えて、実は深いつながりがあります。
そのことを感じさせてくれる、不思議で嬉しい瞬間がありました。
今日はそのエピソードをご紹介します。

 

◆ ある日のリハビリ

ご利用者様の麻痺側の足に、立ち上がりの中で少しずつ体重をかけてもらった後のことです。
それまではあまり動かなかった手の指先が、ふっと軽く動き出しました。

「えっ、なんで? 足に体重をかけただけなのに…」
ご利用者様も、ご家族様も驚かれる瞬間でした。

 

◆ なぜ起こるの?

体は、バラバラに動いているのではなく、実は全体がつながっています。

足に体重をかけると、**足の裏や関節のセンサー(感覚)**が脳に伝わります。

その刺激が重力に対して「体を安定させる」働きを強めます。

すると脳は「手を動かす準備が整った」と感じ、指や上肢の動きも出やすくなるのです。

つまり、足からの小さな感覚が、脳のネットワークを通じて手の動きにもつながるのです。

 

◆京都大学と量子科学技術研究開発機構の研究グループの発見

2021年、京都大学と量子科学技術研究開発機構の研究グループは「手と足の感覚は脳の中で影響し合っている」という発見を報告しています。
従来は手と足は別々に働くと思われてきましたが、脳ではお互いに刺激し合い、活動が広がることが分かってきたのです。

これは、リハビリで「足からの刺激が手の改善につながる」ことを裏付けてくれる大切な知見です。

 

◆ 注意の力も働く

さら2022年Aizuらの研究では、
「人は手や足といった身体の一部に、特別に注意を向ける力を持っている」ことが示されています。

しかも、覚が鈍くなった部位には、逆に脳がより注意を向けて補おうとする傾向もあるのです。

今回の事例で「麻痺側の足に体重をのせて感覚が強まった」ことは、脳がそこに注意を集中しやすくし、その影響が手の動きにも波及した、と考えることができます。

 

◆ 小さな気づきが一歩に

足に体重をのせる、足の裏で床を感じる
そんな小さな工夫が、思いがけず手や指の回復につながることがあります。

体は一つにつながっている。
そして脳は、必要なところに注意を向けて助けようとしています。

だからこそ、あきらめずに小さな挑戦を重ねていけば、大きな回復のきっかけになるのです。

 

◆ さいごに

リハビリは「手だけ」「足だけ」を鍛えるものではありません。
体のつながりと脳の注意を活かして、全体のバランスを整えることで、新しい可能性が広がります。

小さな工夫が、大きな回復のきっかけになります。
脳卒中のリハビリは、体を動かすように見えて、実は“脳のリハビリ”。
だからこそ、あきらめずに一歩ずつ積み重ねていくことが大切です。

 

普段何気ないの体験の中にも、思いがけない「小さなきっかけ」が隠れているかもしれません。
「こんなときに体が動きやすかった」「この工夫が役に立った」
ぜひ、私たちに教えていただけると嬉しいです。

 

2025.09.12

「“トイレだけは自分でしたい”──その願いに寄り添うリハビリ」

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

「トイレだけは自分でしたい」
ご利用者様のその強い願いから、リハ滋賀での体験が始まりました。

ご利用者様は脳卒中のあと、デイサービスに通っておられました。

しかし、数年たつと麻痺側の足の内反が強くなり、立つときに介助が必要になる場面が増えていました。
ご利用者様にとっても、ご家族様にとっても、大きな不安が広がっていきました。

 

そこでご家族様がケアマネジャーさんに相談したところ、「リハ滋賀で体験してみては」とご紹介いただきました。

 

3回の体験リハビリを受けられた結果、麻痺側の足の内反が軽くなり、立ち上がりが少し楽に。
そして一番の変化は、外出を嫌がっていたご利用者様が、「リハ滋賀なら行くよ」と前向きになってくださったことです。

 

その後も継続して通っていただきました。
「トイレが楽になった」と笑顔で話してくださるご利用者様。
ご家族様も「自分で行こうとする姿を見られるのが何より安心」と、とても喜んでくださいました。

 

身体の変化だけでなく、心の前向きさや生活の安心が広がっていくこと。
それこそが、私たちが大切にしているリハビリの力です。

 

不安があるのは自然なこと。
でも、その不安を一緒に分かち合いながら、少しずつ“できること”を増やしていけたら──。
私たちは、これからもご利用者様とご家族様に寄り添い続けます。

 

まずは3回の体験リハビリから、安心を実感してみませんか?
お気軽にご相談ください。

2025.09.11

「できないと思っていたことができた――脳出血後リハビリで芽生えた希望」

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

今回はご自分の想像をこえた「できないと思っていたことができた」方のお話をご紹介いたします。

 

■脳出血後の生活、「歩くのがやっと」から始まった体験リハビリ

脳出血での入院生活を経て、リハビリ病院を退院されたばかりの方が体験に来られました。
「歩くのがやっと。今より歩けるようになりたい」と話されていました。

普段は装具と4点杖を頼りに歩行されており、ご本人様もご家族様も「寝る時やお風呂以外に装具を外すなんて考えたこともなかった」と振り返ります。

 

■浮腫をとり、足裏の感覚を引き出す――専門的アプローチ

体験の際、麻痺側の足には浮腫があり、足の感覚がつかみにくい状態でした。
まずは浮腫をとることで、足裏の感覚(メカノレセプター)が働きやすい状態を整えます。

 

次に、リハビリベッドの高さを少し高めに調整。
非麻痺側の手で体を引っ張って立つのではなく、両足にしっかり体重をのせて立ち上がることをめざしました。
そうすることで、「手で引っ張らなくても立てる」という経験を重ね、体がその動きを学習できるよう工夫しました。

 

さらに、麻痺側の足に体重がのるように誘導し、大腿四頭筋や大殿筋の働きをアシスト。怖さを感じないように横につきながら支援しました。

繰り返すうちに、ご本人から「なんとなく麻痺している足を感じる」との言葉が。
立ち上がった後には足裏に意識を向けてもらうことで、支えていた筋肉のスイッチが入りました。

 

■「できるなんて思わなかった」――装具なしでの立ち上がりに感動

こうした工夫の積み重ねにより、装具を使わずに数回の立ち上がりに成功。
その瞬間、ご本人様からは「できるなんて思わなかった」と驚きと喜びの声がこぼれました。

ご家族様も

「いつもはいい方の手でひっぱって立っていた」

「それが当たり前だと思っていたけど、ひっぱらなくても立てるんだ」と驚かれていました。

 

■4点杖からノルディックスティックへ、歩行の変化を実感

帰宅時には、いつも4点杖を頼っていた歩行が、ノルディックスティックで可能に。
「いつもは杖にもたれるように歩いていたのに、今は違う」と、ご家族様も大きな喜びを見せてくださいました。

 

■小さな一歩が大きな希望に――脳卒中リハビリの可能性

麻痺によって感じにくかった足に、少しずつ体重がのり「なんとなくわかる」という感覚が芽生えた瞬間。
それは「立てた」という事実以上に、これからのリハビリへの希望を広げる大きな一歩となりました。

「できないと思っていたことができた」
その体験を重ねることが、前へ進む力になります。

 

体験リハビリは、その第一歩を実感していただける機会です。
ご相談だけでも構いません。どうぞ安心してお声がけください。

 

2025.09.05

笑顔が広がり、新しいご縁へ

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

「主人の幸せそうな顔を見た友人が、『良いリハビリに通っているのだなぁ』と感じてくださり、体験のお問い合わせをしたいと話してくれました。リハ滋賀にめぐり合わせていただいたことを、家族皆で心から感謝しています。」

 

先日、ご利用者さまのご家族様から、このような言葉をいただきました。
ご利用者様がリハビリに取り組まれる中で見せる笑顔や変化が、ご家族様を安心させ、さらにご友人にまで伝わり、新しいご縁につながったことをとても嬉しく思います。

 

■リハ滋賀のリハビリとは

脳梗塞の後遺症に悩まれる方の多くは、退院後に「十分なリハビリが受けられない」「もっと生活に直結する練習がしたい」と感じておられます。

リハ滋賀では、

・マンツーマンでじっくり行う鍼灸と個別リハビリ

・歩く・手を使う・外に出るなど、生活につながる練習

・自費リハだからこそできる、十分な時間をかけた取り組み

を大切にしています。

 

そして何よりも、決まった形のリハビリではなく、その方のお声や体の調子を聞きながら、“その人らしさ”に合わせたリハビリを一緒に作っていくことを大事にしています。

 

■笑顔を大切に

今回の出来事は、私たちが大切にしている「あいむのパーパス」

『わたしたちは、ケアをつうじて、暮らしを豊かにし、世の中を笑顔にします』

を体現するものでした。
ご利用者様の笑顔がご家族様に伝わり、さらに地域やご友人へと広がっていく――その循環こそ、リハビリの力だと感じています。

 

■体験リハビリのご案内

「一度体験してみたい」「もっと詳しく話を聞きたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
リハ滋賀は、一人ひとりの声や体に寄り添ったリハビリを通じて、安心と希望を育んでまいります。

お問い合せはお電話でも承っております。
下記の電話番号までお気軽にお問い合わせください。

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