2026.01.26
がんばって杖は取れた。 でも、歩き方が変わってしまった。ー60代・脳卒中 退院後に起きていた“歩き”の変化 ―
いつも、リハ滋賀のブログを読んでくださりありがとうございます。
今日は、
「がんばって杖は取れたけれど、
なぜか歩き方が変わってしまった」
そんな方のお話です。
歩けるようになったのに、
足をひきずるようになったり、
腰が痛くなってきたり。
「このままでいいのかな」
そんな小さな違和感から始まった、
60代・脳卒中の方をご紹介します。
60代のその方は、脳卒中のあと、麻痺側には感覚の障害が残りました。
退院後の目標は、
「杖を取って歩けるようになること」。
毎日、歩く練習をがんばりました。
その結果、杖は外れました。
ご本人様も、ご家族茶様も、とても喜ばれたそうです。
■ 少しずつ出てきた、別の変化
けれど、しばらくすると
別の変化が出てきました。
歩くとき、
・麻痺側の足をひきずるようになった。
・以前より、腰も痛くなってきた。
それでも、ご本人はこう思いました。
「杖が取れたから、大丈夫」
■脳は“いま出来る方法”を選びます
この状態は、決して珍しいものではありません。
脳はとても賢くて、
“いま出来る方法”を選びます。
転ばないように。
前に進めるように。
その結果、
・麻痺側に体重を乗せない
・健側でかばう
・股関節や腰で振り出す
そんな歩き方に、
少しずつ切り替わっていくことがあります。
歩けている。
でも、体は楽に使えていない。
脳の学習方針は、
楽で、手っ取り早いこと。
けれどそれが、
私たちの体にとっては
少し都合の悪い使い方になってしまうこともあります。
■悪くなったわけでも、がんばりが足りないわけでもない
これは
悪くなったわけでも、
がんばりが足りないわけでもありません。
体が、生きるために選んだ形です。
ただ――
このまま続くと、
・引きずり歩行が定着する
・腰や健側への負担が増える
・外出が減っていく
そんな流れに入ってしまう方も、少なくありません。
■「このままでいいのかな」
杖がとれたのはうれしい。
でも、
なぜ足をひきずるようになったんだろう。
なぜ腰が痛くなってきたんだろう。
「こんな歩き方になるなんて、思っていませんでした」
そう話してくださいました。
そして、
「このままでいいのかな」
そんな気持ちになって、
リハ滋賀の体験に来られました。
■体験で一緒に見たこと
体験では、
「もっとがんばる」ことはしませんでした。
まず一緒に見たのは、
・麻痺側に体重が乗っているか
・左右対称に立てているか
・足で床を感じられているか
・体をどこで支えているか
今の歩き方の中で、
どこでがんばっているのか。
■楽に動けるかどうかは、「使い方」の中にあります
「歩けている」ことと、
「楽に歩けている」ことは、
必ずしも同じではありません。
楽に動けるかどうかは、
できるようになることだけでなく、
どう体を使っているかの中にもあります。
■ 楽に動ける道は、退院で終わりません
「もうこんなもんかな」
そう思ったときこそ、
体の声に、少し耳を傾けるタイミングかもしれません。
自分の体で、少し楽に動けるようになる道は、
退院で終わるものではありません。
その続きを一緒に見つけていけたらと思います。

※大切なご利用者さまのプライバシーに配慮し、写真の一部を加工しています。
2026.01.22
がんばり続けた体が、静かに限界を迎えていた
いつもリハ滋賀のブログを読んでくださり、ありがとうございます。
「動けなくならないように、がんばったほうがいい。」
脳卒中後、
そう思いながら日常を過ごしている方は、
少なくありません。
今回は、
“がんばり続けた結果、体が疲れてしまった”
60代の方のケースをご紹介します。
■最初は、歩けていました。
60代のその方は、脳卒中の発症から、
5年ほど経っていました。
当初は、杖を使えば歩けていました。
日常生活も、何とか自分でこなせていた時期です。
ご本人は、こう話されていました。
「歩けていましたし、
まだ大丈夫だと思っていました。」
■少しずつ出てきた違和感(ご本人の言葉)
ただ、動きには特徴がありました。
「片側で支えたほうが、安心でした。」
「力を入れていれば、何とか動けていました。」
「疲れはありましたけど、
休むほどではないと思っていました。」
そう話されていました。
しばらくして、
非麻痺側の腕や膝に、痛みが出てきます。
■がんばり続けた結果、起きたこと(ご本人の言葉)
「痛みはありましたけど、
まだ動けていました。」
「動かなくなったら、
それこそ戻れなくなる気がして。」
無理をしながらも、
動き続けてこられました。
けれど次第に、
・非麻痺側の膝の痛みの悪化
・立っているのがつらい
・踏ん張れない
・長く立位を保てない
という状態になり、
車椅子での移動が中心になっていきました。
■生活の中で、いちばんつらくなった場面
特につらくなったのが、
トイレへの移乗と、トイレ動作です。
・立ち上がるのがしんどい
・立っていられない
・ズボンの上げ下ろしが間に合わない
最近では、
移乗動作そのものも、やっとの状態でした。
■実際に体をみて、感じたこと(評価)
麻痺が急に悪化した印象はありませんでした。
ただ、
麻痺側はほとんど使われておらず、
非麻痺側で手すりや支持物を強く引っぱりながら、
立ち上がっておられました。
トイレでは、
非麻痺側の壁にもたれるようにして、
なんとか立位を保っている状態でした。
「立てている」ように見えていましたが、
体を支える余裕は、
かなり少なくなっていたように感じます。」
■このケースで大切な視点
この方は、
麻痺が進行したわけではありません。
問題だったのは、
非麻痺側で支え続ける動きが、
長い時間続いていたことです。
がんばることで動けても、
その動きが続けば、体は少しずつ消耗していきます。
がんばることで、
ここまで動いてこられたのは事実です。
その上で、これから先の生活を考えると、
「がんばり続ける動き」ではなく、
「楽にできて、体に余裕を残す動き」が
大切になってくる場面もあります。
この方は、
「楽にできる動き」の大切さを、私たちに静かに教えてくれました。
■まとめ
体は、無理を重ねるほど、静かに消耗していきます。
立てなくなってから気づくのではなく、
違和感が出てきたときが、
見直すタイミングなのかもしれません。

※大切なご利用者さまのプライバシーに配慮し、写真の一部を加工しています。
2026.01.19
退院後1年、「年のせい」と言われた転倒の正体
いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
退院して、少し時間がたつと、こんな言葉をよく耳にします。
「歩けているので、特に困っていません。」
「もう年ですし、こんなものですよね。」
でも実際の生活では、
“できているように見える人”ほど、
静かに困りごとが増えていることがあります。
■70代・脳梗塞後1年のケース
70代のその方は
脳梗塞から1年が経過していました。
自宅内は歩行器で歩行可能です。
ご本人様は、
「もう年ですから。こんなもんでしょう。」
と話されていました。
しかし最近、立ち上がりでしりもちをつくことが増え、
外出も億劫になり、
ご家族様の介助が少しずつ増えてきていました。
「このまま悪くなってしまうのでは……」
ご家族様は不安そうな表情でそうお話をされました。
■一見、悪くなったように見える理由
歩けている。
大きな麻痺の変化もない。
それでも、
「動きが小さくなった」
「失敗が増えた」
この違和感は、生活の中で先に現れます。
■実際に起きていたのは「麻痺」ではなく「かたさ」
評価すると、問題は別のところにありました。
・体幹の動きが少ない
・骨盤が動かない
・股関節・足首がかたい
つまり、
“動ける余白”が失われていたのです。
■かたさが動作に与える影響
立ち上がり動作の時、
骨盤、体幹が前に動けないと
反動に頼った立ち上がりになります。
その結果、
・タイミングが合わない
・バランスを崩す
・しりもちをつく
という失敗が起こります。
■放っておくと起きる悪循環
・転びやすくなる
・活動量の低下
・さらに動かなくなる
・介助量の増加
これは“麻痺の進行”ではなく、
“使われなくなった体の変化”です。
■退院後にこそ必要なリハビリ
病院でのリハビリが終わっても、
生活の中には、まだ調整できる動きがあります。
「もっと歩く」だけではなく、
“柔らかく、動きやすい体を保つこと”も大切です。
■4回体験の意味
このようなケースでは、
1回では変化が分かりにくいこともあります。
・ゆるむ
・楽に動ける
・動きを思い出す
・生活に反映される
このプロセスを確かめるために、
当施設では現在4回の体験プログラムを行っています。
■まとめ
「年のせい」「もう仕方ない」
そう思える時期こそ、
実は、体がいちばん変わりやすいタイミングです。
動けなくなる前に、固まっていく。
だからこそ、
退院後のリハビリには、意味があります。
そして、
体の変化は、静かに進みます。
気づいたときが、ひとつのタイミングかもしれません。

※大切なご利用者さまのプライバシーに配慮し、写真の一部を加工しています。
2026.01.16
玄関で始まった自主トレ -リハビリ室から生活場面へー
いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。
滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設
脳梗塞リハビリステーション滋賀の小林です。
ーリハビリ室から、生活場面へー
送迎を終え、お住まいの玄関で靴を履こうとしたその瞬間。
利用者さんが、ふと動きを止めました。
「さっきの動き、もう一回ここで教えてもらってもいいですか?」
リハビリの時間はもう終わっていました。
でも、その方の中では、まだ続いていたのです。
玄関という、
“これから暮らしに戻っていく場所”で、
自主トレが始まりました。
誰かに言われたからではなく、
「自分でもう少しやってみたい」と思った気持ち。
それは、回復のいちばん大切な芽だと、
私たちは考えています。
■リハビリは「ベッドの上」だけじゃない
病院や施設のリハビリは、
どうしても「決められた時間」「決められた場所」で行われがちです。
でも本当に大切なのは、
その人が生活に戻ったとき、体がどう動くか。
・玄関で立ったまま、体重をかける。バランスをとる。手を伸ばす。
それは、
「家で立ち上がる」
「靴を履く」
「外に出る」
そのままの動きです。
■下駄箱が、リハビリの道具になるとき
実はあのとき、
私自身も、玄関の下駄箱を見ていました。
「この下駄箱の高さ、ちょうどいい台だな」
「ここなら、前腕で体を支える練習ができる」
そう思ったのが、あの自主トレのはじまりでした。
特別な器具がなくても、
生活の中には、リハビリに使える“環境”がたくさんあります。
その人の体と、その人の暮らしに合ったやり方を、
その場で一緒に見つけていく。
それが、私たちのリハビリです。
■「やらされる」から「やりたい」へ
この日、利用者さんは
「もう一回」と自分から言われました。
その一言が出るとき、
リハビリは義務ではなく、
その人の人生の一部になります。
誰かに言われて動く体と、
自分で動かそうとする体は、
脳の働きも、自分にとっての意味も、まったく違います。
■だから、リハ滋賀は「暮らしの中の一歩」を大切にしています
私たちは、
運動の回数やメニューよりも、
・どこで
・どんな気持ちで
・何のために
動いたのかを大切にしています。
玄関での一歩は、
「帰ってからの一歩」につながっていくからです。
■体験4回という時間について
あの玄関での「もう一回」は、
1回のリハビリでは生まれにくい感覚でした。
今、リハ滋賀では
体験4回でリハビリを試していただける期間をつくっています。
4回あると、
・体の変化
・動きのコツ
・生活の中での実感
が少しずつ見えてきます。
玄関で「もう一回」と言いたくなるような、
そんな感覚に出会ってもらうための4回です。
■最後に
リハビリは、
誰かに評価されるものではなく、
自分の人生を取り戻すための時間だと思っています。
今日の玄関での一歩も、
その方の大切な人生の一部でした。
その一歩を、
私たちはこれからも、
そっと支えていきたいと思っています。

※大切なご利用者さまのプライバシーに配慮し、写真の一部を加工しています。
2026.01.14
「今さら行っても意味ある?」と迷っていた70代の方が、体験4回で決めたこと
いつもリハ滋賀のブログを読んでくださり、ありがとうございます。
今、リハ滋賀では
120分×4回 11,000円の体験キャンペーンを行っています。
これは「続けるかどうかを決めるため」のものではなく、
**「今の体の状態を知り、自分の感覚を確かめるための時間」**として用意している体験です。
これからご紹介する60代の方のお話は、
実際にこの体験プログラムを受けてくださった方の声です。
脳梗塞から5年。
60代のこの方は、日常生活は何とかこなせていましたが、
最近になって歩きにくさを強く感じるようになっていました。
特に、麻痺側の足が
「重りがついたみたいに重い」
「地面から離れない感じがする」
と話されていました。
つまずくことが増え、
「このまま転ぶようになったらどうしよう」
という不安も大きくなっていたそうです。
実はこの方、以前からリハ滋賀のことは知っていました。
でも、
・今さら行っても意味があるのか
・もう遅いんじゃないか
・続けられる自信がない
そんな気持ちがあって、なかなか一歩が踏み出せずにいました。
そんなときに目にしたのが、
**「体験4回 11,000円」**のキャンペーンでした。
「まずは試してみるだけなら…」
「続けるかどうかは、そのあとで決めればいい」
そう思えたことが、来所のきっかけだったそうです。
体験が始まって最初に行ったのは、
立った姿勢の左右のバランスや、麻痺側への体重のかけ方、
そして歩き方を一緒に確認することでした。
体のねじれ、体重のかけ方、歩き出しの最初の一歩。
無意識のうちに、かばってしまっている動きがいくつも見えてきます。
「思ったより、体はねじれているんですね」
「こんなふうに歩いていたんだ…」
ご本人も、少し驚いた様子でした。
自分の体の癖を“知る”だけでも、
この方にとっては大きな一歩だったのです。
説明だけではなく、
実際に体に触れながら、
足の動きや体のバランスを一緒に確かめていきました。
「ここが少し頑張りすぎていますね」
「このあたりは、弱さがあり、体重をのせることが苦手ですね」
そう声をかけられながら、自分の体を改めて感じる時間は、
この方にとって少し不思議で、でも安心できる時間だったそうです。
回数を重ねる中で、
足が少し出しやすくなったり、
歩くときの不安が少しずつ減っていったりはありましたが、
劇的に何かが変わることはありませんでした。
でも、
「このまま悪くなっていく感じがしなくなった」
「まだ、ちゃんとできることがありそう」
そんな感覚が生まれてきたそうです。
4回の体験が終わるころ、
この方はこう話してくださいました。
「ここでなら、ちゃんと自分の体を見ながら続けられそうです」
「今なら、まだ間に合う気がしました」
大きな目標を掲げたわけではありません。
でも、「このままにしない」という決断が、そこにはありました。
この方がリハ滋賀に来られたきっかけも、
体験4回 11,000円のキャンペーンでした。
続けるかどうかを決めるためではなく、
“今の自分の体を確かめるため”の4回。
もし今、
「今さら行っても意味があるのかな」
「ちょっと気になるけど、正直不安」
そんな気持ちがあるなら、
この体験は、その迷いを確かめるための時間です。
無理なご案内はしていません。
ご相談だけでも大丈夫です。

※プライバシーに配慮し、写真に一部加工をしています。
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