脳梗塞リハビリステーション滋賀

077-514-2255

 ブログ

2026.02.03

歩けているのに、歩けなくなっていく人たち ―それは体からの小さなサインかもしれません―

いつもブログを読んでくださりありがとうございます。

 

装具や杖を使って歩けている。
だから「大丈夫」と思っている。
実は、そう感じている方はとても多いです。

でも現場でリハビリをしていると、
こんな流れをよく目にします。

 

■よくある“静かな変化”

最初は歩けていた。
けれど実際には、
麻痺側に体重が乗れていないまま歩いている。

だんだん転びやすくなる。

外に出るのが怖くなり、
家の中で過ごす時間が増える。

座っている時間が長くなる。

気づいたときには
「前より歩けなくなっている」。

 

派手な悪化ではありません。
少しずつ、静かに進みます。
だからこそ、見過ごされやすいのです。

 

少しずつ転びやすくなり、
外に出るのが億劫になってくると、
家の中で座って過ごす時間が増えていきます。

これは、実際によく見かける変化です。

 

 

■なぜ、そうなってしまうのでしょうか

麻痺側に体重が乗らないまま歩いていると、
無意識に“元気な側”だけで頑張る歩き方になります。

 

すると体の中心がずれたまま動くようになり、
とっさの一歩が出にくくなって、
ちょっとした段差や方向転換でも転びやすくなります。
また、頑張る歩き方が続くことで
足や体に余計な力が入りやすくなり、
少しずつ足の形が変わってきたり、
今まで合っていた装具が合わなくなってくる方もいます。

 

そうなると、
「歩くのがしんどい」
「怖い」
「外に出たくない」
という気持ちが強くなり、
動く量が減ってしまう——
そんな流れにつながっていくことも少なくありません。

 

■「歩ける」と「体がうまく使えている」は違います

杖や装具で歩けていても、
・麻痺側に乗れていない
・体重移動が片側だけ
・感覚が入りにくい

 

こうした状態が続くと、
身体のバランスは少しずつ崩れていきます。
見た目は「歩けている」。
でも身体の中では、
真ん中がずれ続け、無理な使い方が積み重なっていることがあります。

 

■大切なのは、“歩けなくなってから”ではなく、“歩けている今”

多くの方が、
「もっと悪くなってから考えよう」
「今は歩けているから」
そう思われているかもしれません。

 

でも本当に大切なのは、
歩けなくなってから対処することではなく、
歩けている今、体の使い方を見直すこと。
小さな違和感のうちに整えてあげることで、
その先の転倒や活動量低下を防げるケースは少なくありません。

 

■今の歩き方、少しでも気になったら

・最近つまずきやすい
・麻痺側に体重が乗っていない気がする
・歩くと疲れやすい
・外に出るのが億劫になってきた

 

もしこんな感覚があれば、
それは体からの小さなサインかもしれません。

 

今の歩き方が、少しでも気になったら。
今のからだの状態を知るだけでも大丈夫です。
どうぞお気軽にご相談ください。

2026.01.29

歩く距離は伸びた。でも、何かがちがう。

いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。

今回お話しするのは、
脳卒中後のリハビリを経て、日常生活は送れていて、
歩く距離も少しずつ伸びてきた方です。

 

けれど最近、
「なんだか歩くのがしんどくなってきて…」

 

そんな違和感をきっかけに、体験に来られました。

 

■歩けるようになった。でも、しんどくなった

歩く距離は、少しずつ伸びてきました。

けれど最近、
・歩くことが前よりしんどくなってきた。

・非麻痺側ばかりが頑張っている感じ。

・歩き終わると、非麻痺側だけがすごく疲れる
・なんか、前とちがう。

そんな違和感が続いていました。

 

■動画に映った、自分の姿

ある日、
家族に歩くところを動画に撮ってもらい、見てみました。
まっすぐ立っているつもりだったのに、
姿勢がねじれている。
よく見ると、
身体全体が非麻痺側に傾いたまま動いていました。

 

■できているはずなのに

できているはずなのに。
良くなっているはずなのに。

なんでだろう。

 

無意識のうちに非麻痺側に力が入り、
身体全体が傾いたまま動いていたのかもしれません。

 

自分ではまっすぐ歩いているつもりでも、
身体は、別の動きを覚えていたのかもしれません。

 

■気づきは、外からやってくることもある

こうした変化は、
本人よりも、外から見たほうが
気づきやすいことがあります。

 

実際に体験された方から、
こんな言葉をいただくことがあります。

「自分じゃ気づかないことがわかってよかった」
「原因がわかって安心しました」

 

動画に映った自分。
誰かの視点。

その小さな「気づき」が、
これからの動きを変えるきっかけになることもあります。

 

■その違和感は、見直すタイミングかもしれません

歩く距離が伸びることと、
身体の使い方が整うことは、
必ずしも同じではありません。

その違和感は、これまでの動き方を、
そっと見直すタイミングなのかもしれません。

2026.01.26

がんばって杖は取れた。 でも、歩き方が変わってしまった。ー60代・脳卒中 退院後に起きていた“歩き”の変化 ―

いつも、リハ滋賀のブログを読んでくださりありがとうございます。
今日は、
「がんばって杖は取れたけれど、
なぜか歩き方が変わってしまった」
そんな方のお話です。

 

歩けるようになったのに、
足をひきずるようになったり、
腰が痛くなってきたり。
「このままでいいのかな」
そんな小さな違和感から始まった、
60代・脳卒中の方をご紹介します。

 

60代のその方は、脳卒中のあと、麻痺側には感覚の障害が残りました。
退院後の目標は、
「杖を取って歩けるようになること」。
毎日、歩く練習をがんばりました。

 

その結果、杖は外れました。
ご本人様も、ご家族茶様も、とても喜ばれたそうです。

 

■ 少しずつ出てきた、別の変化

けれど、しばらくすると
別の変化が出てきました。

 

歩くとき、
麻痺側の足をひきずるようになった。
以前より、腰も痛くなってきた。

 

それでも、ご本人はこう思いました。
「杖が取れたから、大丈夫」

 

■脳は“いま出来る方法”を選びます
この状態は、決して珍しいものではありません。
脳はとても賢くて、
“いま出来る方法”を選びます。

転ばないように。
前に進めるように。

 

その結果、
・麻痺側に体重を乗せない
・健側でかばう
・股関節や腰で振り出す
そんな歩き方に、
少しずつ切り替わっていくことがあります。

 

歩けている。

でも、体は楽に使えていない。

 

脳の学習方針は、
楽で、手っ取り早いこと
けれどそれが、
私たちの体にとっては
少し都合の悪い使い方になってしまうこともあります。

 

■悪くなったわけでも、がんばりが足りないわけでもない

これは
悪くなったわけでも、
がんばりが足りないわけでもありません。
体が、生きるために選んだ形です。

ただ――
このまま続くと、
・引きずり歩行が定着する
・腰や健側への負担が増える
・外出が減っていく
そんな流れに入ってしまう方も、少なくありません。

 

■「このままでいいのかな」
杖がとれたのはうれしい。

 

でも、
なぜ足をひきずるようになったんだろう。
なぜ腰が痛くなってきたんだろう。
「こんな歩き方になるなんて、思っていませんでした」
そう話してくださいました。

 

そして、
「このままでいいのかな」
そんな気持ちになって、
リハ滋賀の体験に来られました。

 

■体験で一緒に見たこと
体験では、
「もっとがんばる」ことはしませんでした。

 

まず一緒に見たのは、
・麻痺側に体重が乗っているか
・左右対称に立てているか
・足で床を感じられているか
・体をどこで支えているか
今の歩き方の中で、
どこでがんばっているのか。

 

■楽に動けるかどうかは、「使い方」の中にあります
「歩けている」ことと、
「楽に歩けている」ことは、
必ずしも同じではありません。

 

楽に動けるかどうかは、
できるようになることだけでなく、
どう体を使っているかの中にもあります。

 

■ 楽に動ける道は、退院で終わりません
「もうこんなもんかな」
そう思ったときこそ、
体の声に、少し耳を傾けるタイミングかもしれません。

 

自分の体で、少し楽に動けるようになる道は、
退院で終わるものではありません。

その続きを一緒に見つけていけたらと思います。

※大切なご利用者さまのプライバシーに配慮し、写真の一部を加工しています。

2026.01.22

がんばり続けた体が、静かに限界を迎えていた

いつもリハ滋賀のブログを読んでくださり、ありがとうございます。

 

「動けなくならないように、がんばったほうがいい。」
脳卒中後、
そう思いながら日常を過ごしている方は、
少なくありません。

 

今回は、
“がんばり続けた結果、体が疲れてしまった”
60代の方のケースをご紹介します。

 

■最初は、歩けていました

60代のその方は、脳卒中の発症から、

5年ほど経っていました。

 

当初は、杖を使えば歩けていました。
日常生活も、何とか自分でこなせていた時期です。
ご本人は、こう話されていました。
「歩けていましたし、
まだ大丈夫だと思っていました。」

 

■少しずつ出てきた違和感(ご本人の言葉)

ただ、動きには特徴がありました。

「片側で支えたほうが、安心でした。」
「力を入れていれば、何とか動けていました。」
「疲れはありましたけど、
休むほどではないと思っていました。」
そう話されていました。

しばらくして、
非麻痺側の腕や膝に、痛みが出てきます。

 

 

■がんばり続けた結果、起きたこと(ご本人の言葉)
「痛みはありましたけど、
まだ動けていました。」
「動かなくなったら、
それこそ戻れなくなる気がして。」

無理をしながらも、
動き続けてこられました。

 

けれど次第に、

・非麻痺側の膝の痛みの悪化

・立っているのがつらい
・踏ん張れない
・長く立位を保てない

という状態になり、
車椅子での移動が中心になっていきました。

 

 

■生活の中で、いちばんつらくなった場面
特につらくなったのが、
トイレへの移乗と、トイレ動作です。
・立ち上がるのがしんどい
・立っていられない
・ズボンの上げ下ろしが間に合わない
最近では、
移乗動作そのものも、やっとの状態でした。

 

■実際に体をみて、感じたこと(評価)

麻痺が急に悪化した印象はありませんでした。

ただ、
麻痺側はほとんど使われておらず、
非麻痺側で手すりや支持物を強く引っぱりながら、
立ち上がっておられました。

 

トイレでは、
非麻痺側の壁にもたれるようにして、
なんとか立位を保っている状態でした。

 

「立てている」ように見えていましたが、
体を支える余裕は、
かなり少なくなっていたように感じます。」

 

■このケースで大切な視点
この方は、
麻痺が進行したわけではありません。

問題だったのは、
非麻痺側で支え続ける動きが、
長い時間続いていたことです。

 

がんばることで動けても、

その動きが続けば体は少しずつ消耗していきます。

 

がんばることで、
ここまで動いてこられたのは事実です。
その上で、これから先の生活を考えると、
がんばり続ける動き」ではなく、
「楽にできて、体に余裕を残す動き」
大切になってくる場面もあります。

 

この方は、
「楽にできる動き」の大切さを、私たちに静かに教えてくれました。

 

■まとめ

体は、無理を重ねるほど、静かに消耗していきます。
立てなくなってから気づくのではなく、
違和感が出てきたときが、
見直すタイミングなのかもしれません。

※大切なご利用者さまのプライバシーに配慮し、写真の一部を加工しています。

2026.01.19

退院後1年、「年のせい」と言われた転倒の正体

いつもブログを読んでくださり、ありがとうございます。

 

退院して、少し時間がたつと、こんな言葉をよく耳にします。
「歩けているので、特に困っていません。」
「もう年ですし、こんなものですよね。」

 

でも実際の生活では、
“できているように見える人”ほど、
静かに困りごとが増えていることがあります。

 

■70代・脳梗塞後1年のケース
70代のその方は
脳梗塞から1年が経過していました。
自宅内は歩行器で歩行可能です。

ご本人様は、
「もう年ですから。こんなもんでしょう。」
と話されていました。

 

しかし最近、立ち上がりでしりもちをつくことが増え、
外出も億劫になり、
ご家族様の介助が少しずつ増えてきていました。

 

「このまま悪くなってしまうのでは……」

ご家族様は不安そうな表情でそうお話をされました。

 

■一見、悪くなったように見える理由

歩けている。
大きな麻痺の変化もない。

それでも、
「動きが小さくなった」
「失敗が増えた」

この違和感は、生活の中で先に現れます。

 

■実際に起きていたのは「麻痺」ではなく「かたさ」
評価すると、問題は別のところにありました。
・体幹の動きが少ない
・骨盤が動かない
・股関節・足首がかたい
つまり、
“動ける余白”が失われていたのです。

 

■かたさが動作に与える影響
立ち上がり動作の時、

骨盤、体幹が前に動けないと
反動に頼った立ち上がりになります。

その結果、
・タイミングが合わない
・バランスを崩す
・しりもちをつく
という失敗が起こります。

 

■放っておくと起きる悪循環
・転びやすくなる
・活動量の低下
・さらに動かなくなる
・介助量の増加

これは“麻痺の進行”ではなく、
“使われなくなった体の変化”です。

 

■退院後にこそ必要なリハビリ

病院でのリハビリが終わっても、
生活の中には、まだ調整できる動きがあります。
「もっと歩く」だけではなく、
“柔らかく、動きやすい体を保つこと”も大切です

 

■4回体験の意味

このようなケースでは、
1回では変化が分かりにくいこともあります。
・ゆるむ

・楽に動ける
・動きを思い出す
・生活に反映される

このプロセスを確かめるために、
当施設では現4回の体験プログラムを行っています。

 

■まとめ

「年のせい」「もう仕方ない」
そう思える時期こそ、
実は、体がいちばん変わりやすいタイミングです。

動けなくなる前に、固まっていく。

 

だからこそ、
退院後のリハビリには、意味があります。

 

そして、
体の変化は、静かに進みます。
気づいたときが、ひとつのタイミングかもしれません。

※大切なご利用者さまのプライバシーに配慮し、写真の一部を加工しています。

お問い合せはお電話でも承っております。
下記の電話番号までお気軽にお問い合わせください。

脳梗塞リハビリステーション滋賀
077-514-2255
受付時間 9:00-18:00 [ 土・日除く ]