脳梗塞リハビリステーション滋賀

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 ブログ

2025.07.09

【脳梗塞のリハビリ後】「一人で外を歩くのは無理」と言われた方が、日焼けで真っ黒になっていた。

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

今朝の通勤の道すがら。

強い日差しにじわりと汗が滲み、ふとあの方のことを思い出しました。

 

脳梗塞で「一人で外を歩くのは無理」と言われ、退院後のリハビリ生活。

電車に乗る練習を一緒にした、あの方。

外歩きの練習を続けていて、日焼けでまっくろになっていたことは、今でも鮮明に覚えてます。

 

暑い中来所したとき、「暑いから短パンで歩いてるんです」と笑われました。
装具をとった足には、装具のかたちがくっきりと、日焼けあとがついていました。

それを見たとき、思わずびっくりしてしまいましたが、私はちょっと感動したことを覚えています。

どんなに暑くても、汗をかいても、焼けても、
それでも「歩く」を続けていることを。
リハ滋賀だけではない”リハビリの時間”は続いているんだなと、改めて思いました。

 

自分で選んだリハビリの延長線上にある暮らし。

私たちができることは、限られているかもしれません。
でも、心の中で「やってみたい」が続いてくれるなら、
それはきっと、リハビリの延長線上にあるもの。

施設を卒業したあとも、ご本人の歩く日々のなかに、
“あの時のリハビリ”がそっと残っていたら私たちはうれしいです。

 

退院後の歩行練習や自費リハビリをご検討の方へ

「もう歩けないかも」「外に出るのが怖い」
そんな気持ちを、わたしたちは丁寧に受けとめながら、
自分の力で“もう一度やってみたい”を支えています。

退院後の歩行のリハビリや、自費リハビリをご検討の方は、ぜひお気軽にお問合せくださいませ。

2025.07.08

あの夏、電車に乗った日。「もう無理」と言われたその先にあった、“一歩”の物語。

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

来週の移転の準備のため書類整理をしていると、さまざまなことを思い出します。

ちょうど、この季節に一緒に電車に乗る練習をしたあの方のこともふっと浮かびました。

 

その方は、リハビリ病院を退院されるときに「一人で外を歩くのは今後絶対無理です。」と言われたそうです。
それでも、ご本人は諦めていませんでした。

 

退院後、ひとりで地道にリハビリを続け、しばらく経ってから、当施設に来られました。

「今は外を歩くのをひとりで頑張ってるんです。」
そう話してくださいました。

そしてぽつりと、「もともと電車に乗るのが好きで…。 いつか、電車でここに通えるようになりたい。」と。

 

その頃の身体は、麻痺側の足首がぐらぐらしていて、股関節にも不安定さがあり、麻痺側の足でしっかり体重が支えることが難しかったです。

また、全体的に固さが目立っていました。

そこで二次的な問題を解決するために、筋や関節の柔軟性を改善させることからはじめました。、
次に、足首と股関節の安定性を高めるトレーニング、そして体重移動の練習を繰り返していきました。

 

外を歩くことに少しずつ自信がついてきたある日、「電車に乗ってみたい。」と、その方は話されたのです。

 

その一歩を支えたくて、私は事前に練習で使用する駅のホームを下見しました。
エレベーター、エスカレーターの位置、改札までの動線、人の流れや段差…。
すべてを確認して、「大丈夫、一緒に行ける。」と、自分自身にも言い聞かせました。

 

迎えた当日、私も少し緊張していました。
エスカレーターに乗る瞬間、改札を通るタイミング、電車に乗るときのバランスの取り方。

そのすべてを、ゆっくりと、一歩ずつ一緒に乗り越えました。

 

「やった、できた!」
電車を降りたときのあの方の笑顔が、今も忘れられません。

あとでご家族様にその話をすると、「私たちにはできないことを、リハ滋賀さんがやってくれた。」と、とても喜んでくださいました。

 

リハビリは、ただの“機能の回復”だけじゃありません。
“やってみたい”という気持ちに寄り添い、
その方の「これからの暮らし」に向けて、そっと背中を押すことも、大切な役割だと思っています。

 

電車に乗った時一緒に見たあの日の夏空。
きっと私も、あの方も、忘れないと思います。

 

もし今、「できないかも」と感じていることがあっても、それは“終わり”ではありません。

もう一度、歩きたい。
もう一度、自分の力で行きたい場所がある。

 

そんな想いがふと心に浮かんだとき、わたしたちは、その一歩を一緒に考える存在でありたいと思っています。

どうぞお気軽に、ご相談ください。

2025.07.04

「麻痺した手が動き出す 脳梗塞からの回復と“自分の手”との再会

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

麻痺していた手が、また少しずつ「自分の手」になっていく。

その過程には、たくさんの驚きと喜びがありました。

 

今回は、脳梗塞発症から1年半が経ったご利用者様の「手との再会」のエピソードをご紹介します。
「どうせ動かない」と思っていた手が、生活の中で自然に使われるようになるまでのお話です。

 

「麻痺側の手なんて、どうせ動かないでしょう。」

最初にそう話されたのは、ご利用者様。

脳梗塞を経験され、すでに発症から1年半後。

歩くことはできるけれど、麻痺側の手はむくんだまま、ずっと「ほったらかし」でした。

心配されたご家族様が、リハビリ体験を申し込んでくださったのが出会いでした。

 

初めてお会いしたとき、 私の目に留まったのは「むくみ」でした。

手のむくみは、感覚や運動を妨げてしまいます。

 

さっそく、手のむくみを軽減させ、タオルで指1本ずつに感覚刺激を行うと、 なんと指がわずかに動いたのです。

「……動いた……」

その瞬間、ご本人の表情が変わりました。

 

「頭の中には、指1本ずつに“住所”があるんですよ。」 私はそう伝えました。

 

そこから、手の中の筋肉(手内在筋)を活性化する練習へ。 ペットボトルを握る動作を取り入れました。

 

帰るとき、指で対立運動を繰り返しながら、 にこにこと笑っておられた姿が印象的でした。

まるで、「自分の体に反応が返ってくる」のが楽しくてたまらないかのように。

 

「やったことが、自分の体に返ってくるのが嬉しい。」 「動かすのが楽しい。こんなことできるんだ。」

そんな言葉がご本人から聞かれた日。

私の頭に浮かんだのは、「子どもの感覚遊び」でした。

 

子どもは、手を動かして、何かに触れて、反応が返ってくると、 うれしくなって、また同じことを繰り返します。

大人になっても、私たちは、自分の体に反応が返ってくると嬉しいのです。

 

「からだが、自分のものとして戻ってくる」 それは、ただの機能回復ではなく、動くたびに、私の体だと感じられるようになった、

その瞬間から、ご利用者様のリハビリは「やらされるもの」ではなく「自分のために続けたいこと」に変わっていきました。

 

その後、リハビリを続けて4ヶ月半。

ご家族様はこう話されました。

「本人が、麻痺している手をすごく気にするようになりました。」 「買い物、片付け、料理など、使う頻度がぐんと増えたんです。」 「タオルで指を1本ずつこすっているんですよ、家でも。」

最近では、 ・スーパーで両手でカートを押して歩く姿 ・掃除機をかける時、両手を使っている様子 など、日常生活の中で「自然に手が使われている」瞬間が増えているとのことでした。

 

ほんの小さな感覚との出会いが、 こんなにも日々の行動を変える力を持っている。

 

「感覚を取り戻すこと」は、 「手を動かすことができるようになる」だけではなく、 「もう一度、自分の手として、感じること」につながっていくのだと 改めて実感しています。

ただ、「動くようになる」だけではなく、「その人らしい姿」が戻ってくる。

そんな時間のきらめきを、ご利用者様から確かに感じました。

 

同じように「もう麻痺側の手は使えないかも…」と感じている方や、「動く喜びを、もう一度取り戻したい」と願う方がいらっしゃいましたら、
どうぞお気軽にご相談ください。

 

私たちはこれからも、 ただ「できるようにする。」だけではなく、 「うれしくて続けたくなる。」リハビリを大切にしていきたいと思います。

 

2025.07.03

「自分は、まだ変われる」――脳梗塞3回の男性とご家族様の物語

滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

リハビリを続けていると、あなたも、同じようなお悩みありませんか?
「もうこれ以上は良くならないのかも…」
そう感じてしまうこと、あると思います。
でも、変化のきっかけは“ふとした体験”から生まれることもあります。

 

6月26日のブログでは、3度目の脳梗塞を経験された50代男性の「リハビリでの変化」をご紹介しました。

今回は、その方を支えてこられたご家族様の視点から見えた「変化」のお話をお届けいたします。

 

「ここに来るのを本人は、本当に楽しみにしています。来る前日から、行くための準備をはじめます。」

ご家族様はそううれしそうにお話をされます。

 

最初にお会いした頃、ご利用者様はご自身の状態に対して強い苛立ちを抱えておられました。

思うようによくならず、転倒をきっかけにご家族様が体験を申し込まれたのです。

「体験にきた日から、なんか変わりはじめたんです」
「手が動いたことに驚き、喜び、その日は家に帰ってからぽろぽろと泣いていました」
「自分はまだ変われると思ったみたいです」

ここに来ることで「一人じゃない」と感じられたことが、心を動かしたようです。

 

その日から、ご利用者様はすこしずつ変わっていきました。
ご家族様が何度言っても聞かなかった甘いものや食事内容を、自分なりに見直すように。
自主トレに取り組み、ほったらかしにしていた麻痺側の手にも目を向けるように。

隔週のリハビリですが、帰宅された日は本当にうれしそうな表情で、「いつもよりぐっすり眠っている姿に、安心しました」と奥様は話されました。

 

ある日、ご家族様がふと気づかれたそうです。

「洗濯物を両手で持って歩いていたんです」
「段ボールを両手で片付けていて、びっくりしました」

私たちも、まわりの人たちも、驚きと喜びでいっぱいになった瞬間でした。

 

そして、先日行ったリハビリ。
左右の手の分離動作を促すために、水鉄砲をつかったアクティビティを実施しました。

 

実際に使用した水鉄砲はこちら。
ご家族様が動画で撮影されるほど、笑顔あふれる時間になりました。

 

遊びのように見えて、じつは“左右の手を別々に動かす”という高度な課題も含まれています。
「楽しいから頑張れる」それが、わたしたちの大切にしているアプローチです。

 

その日の夕方、奥様から届いたメッセージ:

「本当に、本当に楽しそうな顔をしてました。うれしいです。」

私たちも胸がいっぱいになりました。
リハビリとは、からだだけでなく、心を取り戻していく時間でもあるのだと、改めて教えていただきました。

 

わたしたちは、ご本人の不安だけでなく、ご家族の想いも支えることができる場所でありたいと考えています。

もし、今なにかに悩まれている方がいらっしゃれば、一歩ふみ出すお手伝いができれば幸いです。お気軽にお問い合わせください。

2025.07.01

「まっすぐ立っているはずなのに…」——麻痺側の足の“感覚”が、歩き方を変えた

滋賀県守山市にあります、自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

今回は、脳出血から1年後の女性の「麻痺側の足の感覚から歩き方が変わった」ことをご紹介します。

 

脳出血後、1年が経過した女性。
麻痺側の感覚障害が強く、ご本人様とご家族様で懸命にリハビリを続けてこられました。
努力のかいあって、杖なしでも歩けるようになりましたが、杖の支えがなくなったことで新たな課題が。

「歩くと腰が痛くなってしまって…」
「姿勢もどこかバランスが悪い気がする」

そんな思いを抱えながら、当施設のリハビリ体験にお越しくださいました。

 

初回の印象——身体の“使い方”が崩れていた。

初めてお会いしたとき、歩行は麻痺側の足を引きずるような形。
立った姿勢では、麻痺側の足を前に出す「休め」のような立ち方になっており、骨盤や体幹は非麻痺側へ大きくねじれていました。

観察からわかったのは、明らかに麻痺側の足に体重が乗っていないということ。

 

その後、鏡の前に立っていただき、左右対称の姿勢を作り、一緒に確認してみました。
するとご本人様は驚いた表情でこうおっしゃいました。

「えっ…これがまっすぐなんですか? 私はすごく悪い方に寄っている感じがします。」

これは、「正中軸のズレ」と呼ばれる状態。
脳卒中後にはよく見られますが、ご本人様にとってはまさに“初めて気づく違和感”でした。

 

この方の鍵は、「麻痺側への感覚のとりこみ」

私たちが注目したのは、麻痺側の足への“感覚入力”の不足。
筋力だけでなく、足裏や関節からの情報が脳にうまく届いていないと、身体の正しい位置や動かし方がわからなくなってしまいます。

 

リハビリでは、感覚が取り込みやすくなるように、麻痺側の足の筋肉や足裏の軟部組織の柔軟性改善をまず最初に行いました。

その後は、麻痺側への足に体重をかけながら積み木やペグなどを使用して、感覚刺激を通して、足の存在を再認識していただきました。

最初は「わからない。」

しかし、時間をかけて繰り返すと「あれ、ここかな。」「あ、これかも。」という反応が出現してきました。

 

初回の体験後、ご本人様は目を見開きながらこうおっしゃいました。

「あっ、麻痺側の足がわかる」

 

鏡で再び姿勢を確認した際には、足からの感覚と視覚情報の違和感が大きく軽減し、

「こんなにズレてたんですね…気づけてよかった」
と、しみじみ語られていました。

 

継続して感覚と姿勢の再構築に取り組んでいく中で、少しずつ身体の使い方が変化していきました。

 

そして3ヶ月半後、ご家族様からこんなうれしい声が届きました。

「日課のウォーキング、私と同じスピードで歩いているんです! びっくりしました」

また、ウォーキング仲間からも

「歩き方、よくなったね。どうしたの?」
と声をかけられたそうです。

 

ご本人様も笑顔でこう語ってくださいました。

「麻痺側の足が今ははっきりとわかるようになってきました。」

「前は悪い方の足に体重をのせるなんてとんでもなかった。でも今は安心してのせられるようになりました。」
「絵を描くとき、画材を運ぶのも前よりスムーズに。自分でも驚いています。」

 

脳卒中後のリハビリというと、「筋トレ」「動かす」ことに意識が向きがちです。
でも、今回のように「感覚を再び感じること」が、姿勢や歩き方、さらには日常生活までを大きく変えるケースも少なくありません。

身体の感覚や中心を取り戻すことで、
「自分は大丈夫」「これなら歩ける」という安心感と自信につながっていく。

「身体の感覚を取り戻す」ことが、自分らしさを取り戻すことにつながる。

それが、私たちが目指すリハビリのかたちです。

 

▽ お悩みの方へ ▽

「もう時間が経っているから…」「がんばっているのに、変わらない。」
そんなふうに感じておられる方がいらっしゃれば、一度、リハビリ体験にお越しください。

小さな気づきが、大きな変化につながるかもしれません。

「もっと早く相談していればよかった。」とのお声もいただいております。

ますは、お気軽にご相談くださいませ。

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下記の電話番号までお気軽にお問い合わせください。

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