脳梗塞リハビリステーション滋賀

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 ブログ

2020.05.22

頚や肩が楽になった!

滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の作業療法士の小林です。

 

脳卒中を発症してから20年以上経過しているご利用者様から

「発症してから、ずっと、左側(麻痺側)の頚や肩が重だるかった。」

「今までいろいろなことを試しても辛かったけど、最近楽になってきてうれしい。」

と、私たちにもうれしいお言葉をいただきました。

 

「何をしたのですか?」

それは上肢の重さが少し改善してきたからです。

腕を支える筋肉が活動できるようにするアプローチを鍼灸とリハビリで行ってきました。

 

当施設では、最初に60分鍼灸を受けていただきます。

鍼灸では、施術によって血液の循環がよくなり、筋肉や関節周辺の組織の緊張がほぐれやすくなります。

 

ご利用者様は、麻痺側の腕を支えるために、麻痺側の頚部を固定させたり、麻痺側の僧帽筋上部、肩甲挙筋で止めていらっしゃいました。

また。非麻痺側の頚部や肩も代償的な固定がみられました。

鍼灸で、その硬い組織に血液が流れるような施術を行いました。

 

リハビリでは麻痺側の腕を支える筋肉が活動できるようなアプローチを行います。

麻痺側の腕の重さや、非麻痺側の代償固定がみられるため、両方の体幹の捻じれがみられたため、体幹が左右対称に近づくように修正を行いました。

 

また、麻痺側体重をかけて、手に感覚を入力、アクティブな上肢の動きを出すことを行いました。

ご利用者様は、麻痺側に体重をかけて安定した姿勢を作ると、手指や上肢の運動が行いやすくなります。

そうすることで、ご利用者様は、麻痺側の上肢の筋活動をご自身で作り出すことが可能なのです。

 

 

環境設定を行いながら、抗重力位での筋肉を活動すること行っています。

肩や頚でがんばろうとせずに、指先から手があがるような反応を引き出していきます。

運動を行っていくと徐々にご利用者様の動きとなっていき麻痺側の腕が軽くなってくるのが、セラピストの手に伝わってきます。

重く、ぶら下がっているだけだった腕が、ちょっとずつですが、腕が支えられるようになり、ご自分の体の一部になってきました。

上着を着る際に何気なく、左腕が袖を迎えに行く場面もみられてきています。

 

発症から経過が長くても上肢・手が生き生きしてくることをご利用者様を通して感じています。

 

「左手でコンビニの袋が持ちたい!」

ご利用者様のご希望に向かって、私たちも一生懸命がんばります!

 

 

 

2020.05.15

きっかけ てがかり

滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス脳梗塞リハビリステーション滋賀」の作業療法士の小林です。

 

「麻痺側の足へ体重をのせたいのだけど、わからない。」

「自分では麻痺している方に体重をのせているつもりなんだよね。」

 

ご利用者様からよくそのようなお話を伺います。

 

立位で麻痺側へ体重をのせようとしたり、左右の足均等に体重をかけようとしても、なかなか難しいですよね。

わからないから、例えば目で足元をみたり、ガラスや鏡に映った姿を見て確認したりしがちです。

しかし、目を使って足やご自身の姿を確認してまうと、麻痺側からの足の情報が感じにくくなってしまうかもしれません。

 

姿勢をコントロールするためには、感覚情報が必要となります。

必要な感覚情報は、

目で物をみる感覚の「視覚」

自分の身体の傾きやスピード、回転を感じる「前庭覚」

自分の身体の位置や動き、力の入れ具合を感じる「固有受容感覚」となります。

 

文献では、健常者であれば、安定した立位には視覚や前庭覚はほとんど必要とされずに、主に固有感覚受容感覚情報をもとにした姿勢コントロールがされるとのことです。

脳卒中後遺症の方の場合は、筋肉の弱化や感覚障害等の問題により「固有受容感覚情報」での姿勢コントロールが苦手となってしまいます。

そうすると、視覚や前庭感覚に依存しやすくなります。

足もとをみながらの歩行(視覚依存)、頭頚部や眼球を過剰に固定した姿勢(前庭依存)などのパターンになりやすい傾向があります。

 

そのような状態では麻痺側の足に体重をのせるのは、難しいのかなと臨床を通して感じました。

麻痺側の足に体重をのるための「手がかり」があるといいのかなと思いました。

 

そこで、「お手玉」「大豆」等様々な物を使用して「きっかけ」「手がかり」を試しました。

一番実感がありましたのは

「麻痺側の足の小指側に小ペグを入れる」ことでした。

 

作業療法の物品で「ペグ」があります。

その小ペグを麻痺側の足の小指側に入れます。

 

小指側に小ペグがあることで、麻痺側の足に体重がかかるとペグの圧を感じることができます。

このペグの圧を手がかりとして麻痺側の足に体重をかけることを繰り返します。

 

非麻痺側の方に体重が偏ると、麻痺側の足の小指側にあるペグの圧の感覚が弱くなります。

その圧の感覚をご利用者様自身でモニタリングし、麻痺側の足に体重がのっているかどうかをご自身の感覚を使用して確認します。

 

 

実際に行っていただいた方のお話です。

「足の裏になにもない状態だと、ガラスに映った自分の姿で姿勢を確認していた。」

「足の小指側にこれ(小ペグ)があると、それが手がかりとなってこちら(麻痺側)に来るのが分かる。」

「自分で(麻痺側)にこれる、こちら(麻痺側)があるのがわかる。」

「ここがまっすぐだと、いつも自分はいい方へよっていたんだね、気づかなかったよ。」

 

麻痺側の足へ体重がのる手がかりがあったことで、ご自身で麻痺側への支持基底面をアクティブに作ることができたようです。

 

しかし、リハビリでは小ペグがありますが、ご自宅ではありませんよね。

そのため、ご自宅では「鉛筆」を代用して、練習を行っていただいてます。

 

小ペグと同じように麻痺側の足の小指側に入れます。

その方の状態に応じて

「立ち上がり前にしっかり麻痺側の足に体重をのせる。」

「立位で麻痺側の足に体重をのせる。」

等の課題を行っていただきます。

 

ご自宅で行う際の注意点は以下があげられます。

麻痺側の足に浮腫みがある方は、痕になりやすいので、ごく短時間で行うこと。(1分行ったら、痕を確認する等)

感覚障害がある場合は傷をつけてしまう恐れがあるので、素足ではなく靴下を履いて行うか、ご家族様と一緒に行う。(糖尿病の持病がある方も同様です。)

鉛筆が削ってある場合は、鉛筆の芯が皮膚を傷つけてしまう恐れがあるので、キャップを使用すること。

練習を行った後は、傷がついていないか必ず確認をする。

行った際に痛みが出現した場合は中止する。

ご自身一人で不安がある場合は、ご家族様等どなたかと一緒に行う。

立ち上がりも、立位も万が一の転倒を考え、何かにつかまって行う。

 

 

「脳」は正しい「感覚」が入力されないと「効率の良い運動」を出力することが難しくなってしまいます。

「脳」は常に「感覚」を欲しがっています。

損傷された「脳」も「感覚」を欲しがっています。

 

ご自身で感覚を「感じる」ことができると、少しづつ動きも変化するかもしれないですね。

 

 

2020.05.01

プールステックでの自宅リハビリ

滋賀県守山市にあります、保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の作業療法士の小林です。

 

4月10日のブログでプールステックを使用したリハビリアイデアをご紹介いたしました。

今回は、プールステックを使用したご自宅で行える「上肢」のリハビリをお伝えさせていただきます。

 

脳卒中後遺症の方で、肩甲骨周りの筋肉(大円筋、小円筋、上腕三頭筋など)や背中の筋肉(広背筋など)が硬くなってしまい、肩甲骨や上腕骨の動きが低下し、腕が上がりにくくなってしまうことは、よく臨床でみられます。

これらの筋肉は脇の下の周囲で密になっています。リハビリの時にこの密のあたりを触ると、多くの方が硬く、圧痛もみられます。

 

 

(イラストは「世界一ゆるく学ぶ解剖教室様のサイトからお借りいたしました」)

 

この密になっている箇所の筋肉の長さや柔らかさ、動きを出すことなどの筋肉の問題(非神経学的問題)を解決することで、麻痺側の腕が上げやすくなったり、指がゆるみやすくなることもあります。

 

 

それでは、ご紹介させていただきます!

 

①半分に切ったプールスティックを用意いたします。

 

②椅子にしっかり座ります。

(このとき、しっかり麻痺側のお尻を感じながら座ってください。お尻が感じにくければ、麻痺側のお尻のグリグリしたところ、坐骨に丸めたタオル等を入れてみてください。)

麻痺側が上にくるように両手を組み、プールスティックが肘のちょっと下にくるようにします。

③両手を組んだまま、3秒かけて前へ体を伸ばしていきます。(痛みが出ない範囲で行ってください

そして、1秒そのままの姿勢をキープして3秒かけてスタートの姿勢に戻ります

※この運動をして痛みがでましたら、中止してください

 

運動時の注意点は

呼吸を止めないこと

脇の下の筋肉、背中の筋肉が伸びていくのを意識すること

良い方でがんばらないこと

体を前への伸ばしていくときに、麻痺側の足に体重がのっていくのも感じること

 

ついつい頑張りすぎてしまうと「行うこと」が目的になってしまい、「やった」という結果に満足しがちです。

 

しかし、この運動は

「背中、脇の下の筋肉」

を伸びやすく、柔らかくすることで、

「肩甲骨、上腕骨の動き」

を良くし、

「腕が上げやすくなる」

「指が緩みやすく」

なることが目的です。

 

回数は20回くらいですが、こだわらずに、変化を感じていただければと思います。

 

下は、運動前後の比較写真です。

左が運動前、右が運動後となります。(だいたい20回くらい行いました。)

運動中、背中や脇の下の硬さを感じ、特に右側が硬いと自分で気づきました。

 

この運動は、ご利用者様にもご自宅で行っていただいてます。

「何回か繰り返すと、指が伸びやすくなってくる」

「脇の下や背中が伸びてるって感じる」

「肩の痛みがちょっとずつ和らいできた」

と皆さんご自分体の変化を感じていらっしゃいます。

 

動くことで、自分の体のことに気付き、変化を感じることは大切ですね。

逆に言えば、動かないと自分の体のことに気付かないし、変化も起こせないことかもしれませんね。

 

また、機会があれば、ご自宅でのリハビリアイデアをご紹介したいと思います。

 

2020.04.24

3密対策と新型コロナウイルス感染症対策

滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

 

ホームページをご覧になった方からのご質問で「3密対策は大丈夫?」「3密になっていないの?」「新型コロナウイルス感染症対策はどのようなことをしているの?」というものがありました。

当施設で現在行っている「3密対策」「新型コロナウイルス感染症対策」を今回はご紹介させていただいます。

 

①「換気の悪い密閉空間」に対して

換気は「建物などの内部の汚れた空気を輩出して、外の新鮮な空気と入れ替えること」です。

 

当施設では1時間に5~10分程度、出入り口のドアを開けて、自然換気を行っております。

 

②多数が集まる「密集場所」

「多くの人がぎっしりと集まる場所」ですよね。

 

当施設では。現在時間に余裕を持った予約対応を取らせていただいております。

そのため、他のご利用者様とお会いすることほとんどございません。

セラピストとご利用者様だけの空間ですので、広々としております。

 

 

③間近で会話や発生をする「密接場面」

「互いに手を伸ばしたら届く距離での会話や発生が行われる」場面です。

 

リハビリではこの「密接場面」はどうしても避けられないことが多いです。

しかし、対策として、セラピストは必ずマスクを着用し、ご利用者様の前方からの介入は極力さけ、横や後方からの介入をできる限り行わせていただいております。

 

新型コロナウィルス感染症対策としまして以下を実施しております。

①スタッフの感染対策の徹底(手洗い、マスク着用、手のアルコール消毒、出勤前の検温)

②開店前、閉店後のアルコールを使用した清掃の実施

③間接的な接触感染対策のためにリハビリ前後にベッド、ドアノブ、トイレや物品のアルコール清拭

④次亜塩素水による空間除菌(低濃度の次亜塩素水を加湿器に使用しております。)

⑤ご利用者様の手指アルコールや検温の実施

 

皆様に安心してご利用していただけるよう、脳梗塞リハビリステーション滋賀では継続して新型コロナウイルス感染症対策を行っていきます!

 

2020.04.17

脳卒中後遺症以外の方でも

滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

当施設は脳梗塞、脳出血等の「脳卒中」後遺症でお困りの方だけではなく「痛み」「痺れ」「動きにくさ」等でお困りの方もご利用いただいております。

 

先週、体験に来ていただいた方が今週もお越しになりました。

 

ご高齢の女性の方で、お困りのことは

「畑や家事動作の時に腰や両方の足の付け根が痛くなること」

「うがいをするときに上を向くと、両方の足の付け根がピーンと突っ張る」とのことでした。

お話を伺うにつれて「動くときに少しでも楽に動きたい」との思いがひしひしと、こちらに伝わりました。

 

加齢による骨の変形及び、農作業を長年されたためか、円背が非常に強い姿勢でした。

しかし、それより気になったのが、体や足の筋肉が縮こまっていて、上手に使えていない印象を受けました。

 

円背が強いとそこに目がいってしまいます。

円背があると、重心移動を起こすときに不利なこともあります。

しかし、加齢による骨の変形を脊柱本来の「生理的弯曲」に戻すことは難しいです。

またセラピストが無理に円背を伸ばそう、戻そうとしてしまうと、体を傷つけてしまう場合もあります。

 

「円背があっても、その人のお体なりに、筋肉を使いやすくすること。」

「そのためには、硬くなりすぎている、短くなりすぎている筋肉を柔らかく、適切な長さを作り、活動を入れていくこと

これらを大切にして、リハビリを行いました。

 

リハビリの姿勢時の姿勢も、少しでも筋肉が伸びやすくするために、側臥位や三角マットを使用した半臥位で行わせたいただきました。

 

リハビリ後に

「こんな風に立った時に腰が立つと、洗濯物を入れる時や電気をつける時に楽になるね。」

「この前やってもらってから、動く時に楽になったよ。恐々動かなくて、安心して動けるっていいね。」

とのお言葉を頂きました。

 

日常生活や家事動作が楽にできることは本当に大切です。

「痛み」「動きにくさ」がありますと、「動きたい」とは積極的には思いにくいですよね。

それが「億劫だがら動かない」に結びつき、活動量が減少し、おうちに引きこもがちになる、おうちの中でも動かなく、「じっと」しているに状態になりやすいです。

 

ご高齢の方がその状態になると「フレイル(虚弱)」「サルコペニア(筋肉量が減少し、筋力や身体機能が低下している状態)」を引き起こし、生活の自立度が低下しやすくなります。

 

脳卒中後遺症以外の「痛み」「痺れ」「動きにくさ」等でお困りの方もご相談・対応させていただいております。

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