2020.12.03
歩行器の点検場面
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
前回はご利用者様の現場復帰への向けての必要な動作の評価として「上がり框の昇降」「靴を揃える」をごお伝えさせていただきました。
今回は「歩行器の点検場面」をお伝えさせていただきます。
評価場面で使用した歩行器はピックアップ歩行器です。
ピックアップ歩行器の点検箇所は
①歩行器の脚の裏についているゴムの摩耗具合点検
②歩行器の折りたたみ部分の歪みやゆるみの有無の点検
この2点となります。
この点検作業を行うには①歩行器を持ち上げれること②歩行器を持ち上げても、立位バランスが安定していること③立位をとりながら歩行器の操作が行える上肢・手の機能等が求められます。
歩行器の重さはおおよそ3キロくらいになります。
実際に動作を行っていただくと、歩行器を持ち上げたり、歩行器向きを変えたりしても、立位バランスは安定されていました。
立位バランスが安定している、歩行器を操作する上肢・手の動きも左右協調された動きとなっていました。
上手に動作をされていることに、セラピストもうれしくなりました。
「歩行器を両手で持てるかな、できるかなと動作をする前は不安でした。」
「やってみたら自分で思っていたより上手にできてうれしいです。」
ご利用者様はうれしそうに、そうお話をしてくださいました。
「歩行器の点検」は現場で可能な動作であることを、ご利用者様と一緒に確認ができました。
「できないこと」ばかりに目がいきがちですが、「できること」もきちんとあります。
「今」「できること」をご本人様と共有することは、生活や仕事の幅を広げていくきっかけにもなります。
実際の動作の中で評価し、ポジティブなことを見つけていくことは大切ですね。
次回は「車いすの点検」の評価場面をお伝えします。
2020.11.11
現場への復帰に向けて
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
以前ブログで紹介させていただいた復職されたご利用者様が「現場へ復帰したい!」とのお話がありました。
現在、会社やご本人様が考えておられる現場のお仕事は「福祉用具の点検」とのことでした。
福祉用具をレンタルされているお客様のもとにお伺いし、レンタルされている福祉用具の使い勝手の確認、より便利な福祉用具のご提案、使用されている福祉用具の点検などを行うのがお仕事内容でした。
お客様のご自宅にお伺いすることは、玄関の上がり框の昇降だけではなく、脱いだ靴を揃える動作も必要です。
また、福祉用具を点検する際には、物を持ち上げたり、しゃがんだりする動作も必要です。
この日は「上がり框の昇降」「靴を揃える」「歩行器の点検場面」「車いすの点検場面」を評価させていただきました。
今回のブログでは「上がり框の昇降」「靴を揃える」の場面を紹介させていただきます。
玄関の上がり框の高さは一般的には30cm 程度、最近の戸建ての上がり框は15cm~17cm程度が主流となっています。
お客様のご自宅では手すり等が設置していない場合も考えられるため、壁に手を添えて上がり框を昇降するかもしれません。
「このやり方でしかできない」というよりも環境にあわせて自分の体を動かせること、「動きの多様性」が必要となってきます。
ご利用者様は、ご自宅の玄関では手すりを使用して段差昇降を行っているとのことです。
しかし、今回は「壁に手を添えて上がり框を昇降する」ということにチャレンジしていただきました。
「右足を台に乗せてから、壁に頼らないで左足を台に上げようとすると、バランスが悪い。」
「体の使い方がよくわからない。」
と動作の後感じたことをお話してくださいました。
また、踏み台の上から靴を揃える場面では、しゃがむことが大変でした。
そのため靴を揃えることが難しかったです。
「いや、しゃがむの充分ではないので靴を揃えるのは難しいですね。」
今の段階では、靴ベラ等を使用して、靴を揃えるのことをご提案させていただきました。
実際の場面を想定し、動作を行うことで初めて気が付くことや、それに対してどう解決していくかのアイデアが出てきます。
またセラピストとご利用者様で、一緒に「できているところ」「問題点を解決したら、もう少し動作がやりすくなるところ」を共有することができます。
「何のためにリハビリをするのか」お互い明確になりますよね。
次回のブログでは「歩行器の点検場面」について紹介させていただきます。
2020.11.03
試してみてはいかがでしょうか
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
「指が伸びるけど、曲がりやすい」「自分で指を伸ばしているけど、曲がりやすい」等、麻痺している方の指が曲がりやすいことでお困りの方が多いと思います。
今回は、何名かのご利用者様と一緒に良い変化を感じることができたことをご紹介させていただきます。
指が曲がりやすい方は、すでに手首や指を曲げる筋肉(前腕屈筋群)をご自分でストレッチをされていると思います。
それに加えて、手首や指を伸ばす筋肉(前腕伸筋群)に対してご自分でできることを試していただくことはいかがでしょうか?
手首、指を伸ばす筋肉は肘の外側から始まっています。
この付近の皮膚や筋肉にアプローチしていきます。
①肘の外側から手首に向かって皮膚や筋肉が硬いところを非麻痺側の手で探します。
②硬い箇所が見つかりましたら、その箇所を皮膚からなめすようにします。(やさしく触り皮膚を柔らかくするイメージです。)
③皮膚が柔らかくなりましたら、その下の筋肉を優しく軽く圧迫します。
④皮膚や筋肉が柔らかくなりましたら、肘の外側から手首にかけての筋肉を優しくつかみ、肘の外側→手首の順に軽く圧迫していきます。
⑤最後は手首から肘の外側に向かって皮膚をちょっと強めの刺激でさすり上げます。
セラピストと一緒行ったご利用者様は「曲がっている指が伸びてきた。」「指が伸びやすい。」「手首が柔らかくなった感じがする」と感じたことをお話してくださいました。
自宅課題として、お風呂上りにクリームを使用して行ったご利用者様は「やる前よりも指が伸びやすくなりました!」とセラピストに教えてくださいました。
これからは乾燥する季節ですので、皮膚のお手入れと一緒に行っていくのも良いですよね。
「皆様すべてに効果がある!」とは言えませんが、試してみてはいかがでしょうか。
また、機会がございましたら、ご利用者様と一緒に良い変化を感じたことをご報告させていただきます!
2020.09.30
当施設の鍼灸について
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の鍼灸師、草川と小林です。
今回は当施設での鍼灸の施術についてお話いたします。
当施設の最大の特徴は鍼灸の施術を60分行いその後、リハビリを60分するという事です。
60分間、マンツーマンで鍼灸をしながら、ご利用者様とその日のお身体の状態、ご自宅での過ごし方、日々の出来事などをお話しします。
じっくりとヒヤリングすることで、私達もご利用者様自身もお困りの事を具体的に明確化できます。
60分間ご利用者様とゆったりとしたスペースでお話をしながらの施術ですので、心身共にリラックス効果も望めます。
お客様の情報は作業療法士の小林にしっかり申し送りをし、共有した上でリハビリも行います。
リハビリ前に鍼灸を行う最大のメリットは、お体に鍼・灸をすることで固くなった筋肉や関節が緩まり、血液の循環がよくなります。
お身体が良い状態でリハビリをすることで、より良いリハビリの効果が得られやすいです。
例えて言うならば、柔らかいスポンジと固くなったスポンジとでは、柔らかいスポンジの方が水を吸収するスピード、量が勝りますよね。(個人的なイメージです)
また、一般的な脳卒中の後遺症に対する鍼灸はとても強い刺激で施術します。
当施設は必ずしも強い刺激ではなく、そのご利用者様に合わせた適切な刺激量を速やかに見極め、適切な部位に施術いたします。
その他、主訴以外にも足の冷え、浮腫(むくみ)、不眠、排尿疾患などが改善したという、ご利用者様の声をきくことがよくあります。
ご利用者様が来所の回数を重ねるごとに、よく笑い、豊かな表情になられるのを私たちは実感し、とても嬉しく思います。
今後も、私達は日々ご利用者様にとっての最善を考え、サポートさせていただきたいと思っております。
2020.09.18
「目標」にしてみませんか?
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の作業療法士の小林です。
当施設をご利用の方から「日常生活活動」について様々なお声を聴きます。
女性の方で多いのは
「髪を結べるようになりたい。」
「病気になる前に着ていた、好きな服をもう一度着れるようになりたい。」
「前みたいに、ちゃんと女性用のインナーをつけたい。」
「お友達とランチに行きたい。」
「少しでも家事をしたいし、買い物にも行きたい。」とのことです。
男性の方では
「ゴムのズボンだけではなく、ホックのついたスラックスをはきたい。」
「ズボンがずり落ちないように両手でおさえれるようになりたい。」
「上着のファスナーを閉めれるようになりたい。」
「仕事で書類をまとめるを両手でしたい。」
なかには、
「前は、洗濯物を干すのは自分の役割だったけど、今は奥さん任せで申し訳ない。」
とのお声もありました。
後遺症があるから、自分一人でできないから等の理由で「日常生活活動」をあきらめたり、放棄せざる方が多くいらっしゃいます。
先日、当施設をご利用の女性の方からうれしい報告がありました。
昨年あきらめていた「女性用インナー」の着用ができたとのことです。
できたことで、その方はとても素敵な笑顔でした。
ご利用者様は当施設をご利用されてから、様々なことを目標にしてチャレンジしてきました。
私たちスタッフはそのご利用者様の目標に対し、実際の動きを拝見し、ポジティブな要素、ネガティブな要素を分析し、鍼灸やリハビリでアプローチをいたしました。
目標とする動作に対して、最初は誘導や繰り返しの練習、ご自宅での姿勢や動作のアドバイスを行いました。
ご利用者様自身が良く知っている、毎日繰り返される生活場面ですので、学習が一層容易になります。
また、実際にご自宅で行った際に、できたところ、難しかったところを教えていただきました。
難しかったところを教えていただくことで、その理由を分析し、リハビリに活かすことができます。
「今できないこと」を「諦めたり」「放棄する」のではなく、「目標」にしてみませんか?
「目標」にすることで、「なぜ、いまそれが難しい」かの原因を知ることができます。
そして、原因を知ることで、目標に向かって必要なこと、向かう過程で何を学ぶか、どんな体験ができるかを知れます。
目標に向かっていくことで、ご利用者様自身が気づかれることが沢山あります。
ご利用者様自身が気づき、学習したことは「本物」として身につきやすく、また新しい動作の広がりになることを、ご利用者様からの言動で強く感じます。
「今できないでけど、将来これを目標にしたい!」
そのお手伝いを当施設でさせていただければ幸いです。
お問い合せはお電話でも承っております。
下記の電話番号までお気軽にお問い合わせください。
脳梗塞リハビリステーション滋賀
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