2020.03.20
表情のある「手」
滋賀県守山市にあります、保険外リハビリービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
「この感じは久しぶり。」
「なんとなく、指が伸びる感じがぼんやりだけどわかる。」
ご自分の手の動きを感じながら、しみじみとそうおっしゃいました。
その言葉は、脳卒中を発症されてから20年以上経過しているご利用者様からです。
初めてお会いしたときにご利用者様は、「上肢、手がどんどん硬くなってきている感じがする」とお話をされました。
ご利用者様の上肢や手は、ご自身の体の一部ではないような印象を私は受けました。
血色も低下しており、皮膚や筋肉も粘弾性を失っている「上肢」「手」でした。
指が動いた日は、麻痺側を下にする半側臥位のポジショニングからリハビリを開始しました。
麻痺側を下にすることで、麻痺側に荷重がかかり安定が作りやすくなります。
そのポジションから、前腕・手の皮膚、筋肉を丁寧に介入していくと、麻痺側の手がほんのり赤みを帯び、掌のしわもはっきりとしてきました。
リハビリ前とあきらかに「手」の表情が変化していき、生き生きとし、感覚を欲しがっている「手」になったように感じました!
ご本人様と一緒に、指の動きや積み木を「持つ」「離す」を繰り返して行っていくと、上肢の動きも自然と出現してきました。
潜在能力として「上肢」「手」が動くことをお持ちだったのです。
発症から20年以上経過している方の手が動いたことは、私も本当にうれしかったです。
また、経過が長くても、「脳」に正確な感覚情報が入力され、「脳」に変化が起きれば、「手」「上肢」に動きがでてくることを学ばせていただきました。
ご利用者様にさらにより良いリハビリサービスを提供できるよう、スタッフ一同がんばります!
2020.03.13
滋賀県守山市にあります、保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
先日ご利用者様から、ご自宅で育てている観葉植物をいただきました。
「前は、こうやって左手を使って鉢を持つなんてできなかったけど、今はできるようになったよ。」
観葉植物の鉢を両手で持ちながら、うれしそうにお話をされました。
当施設のご利用開始当初は、
「左手で茶碗を持っても、茶碗を落としそうなってしまう。」
「歩けるけど、無意識につかまる所を探してしまう。」
そうお体の様子を、私たちにお話しをされました。
当施設には、お仕事をされながら、週1回のペースで当施設をご利用されています。
併せて、ご自宅での自宅リハビリもしっかり行っていただいております。
「最近、左側に体重をのせても怖くないよ!」
「真ん中があるってなんとなくわかってきたよ!」
「歩き方が良くなったって、周りに人に言われたよ!」
来所される時は、いつも体の変化を私たちに報告してくださいます。
また、
「この前、気づいたのだけど、左を動かそうとして、右で頑張ろうとすると、左が言う事聞いてくれなるなるね。」
「だから、左手や足の練習をするときは、右で頑張らないで、練習しているよ。」
など、日々の生活の中で、ご自分で気づいたことも教えてくださいます。
なかには、リハビリのヒントになるようなこともお話してくださいます。
ご利用者様のお話は、私たちにとって大切なヒントが沢山隠されていることを、感じさせられます。
ご利用者様の目標は「走れるようになりたい!」です。
その目標に向かって、ご利用者様と二人三脚で頑張っていきます!
2020.03.06
お尻があがると立てる
滋賀県守山市にあります、保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
先日、偶然ですが2人のご利用者様から立ち上がりについてのご相談を受けました。
お二人とも「上手に立てない!」とのご相談でした。
性別、麻痺の程度は異なるお二人ですが、立ち上がりの際に共通点がみられました.
それは、「良い方の手で、手すりや机をひぱって立ち上がろうとする」ことです。
立ち上がるには、両足にしっかり体重が移動することが大切です。
しかし、良い方の手で物をひぱってしまうと。両足への体重移動が起きにくくなってしまいます。
そうすると、お尻が座面から浮きにくくなり、立ち上がるのが大変になってしまいます。
お二人には、それぞれ
①良い方の手を机の前方へ滑らせる
②そのあと、麻痺側の肩を前に出す
③立ち上がる
この3つの工程で立ち上がりをセラピストと一緒に練習をしました。
最初は「うーん?」でしたが、そのうち「あ、わかった、お尻が浮いたら自然に立てる」とご自身でコツを掴むことが可能となりました。
「いいほうの手でひっぱらない」
「いいほうの手を前へ滑らせる」
「麻痺側の肩を前へ出す」
「そうすると足に体重が乗りやすくなる」
「「お尻が浮いてくると、自然に立ち上がれる」
このポイントをご利用者様と共有させていただきました。
日常生活の中で、立ち上がりは何回も行う動作です。
そのため、運動の質が大変重要になってきます。
麻痺側の足に体重が乗りにくい動作を繰り返し行っていくと、それを学習してしまいます。
また、頑張らない、楽に立ち上がれることも大切です。
生きている限り人は加齢があります。
加齢により体は様々は変化が起こります。
現在、がんばってできている動作が、5年後、10年後も同じように可能かは正直わかりかねます。
「頑張らず」
「力に頼りすぎず」に
「右と左を協調させて」
「楽に」
動けるコツを探していくことが大切ですね。
2020.03.04
姿勢で「上肢」「手」は変化する
脳梗塞リハビリステーション滋賀の小林です。
「あのね、この前寒い時に無意識に両手を組んでいたの!」
来店されたご利用者様がそう話してくださいました。
「寒いなーと思っていたら、両手を組んでいたの。こんなこと病気して10年以上経つけど、はじめてよ。」
そのお言葉の後に実際に両手を組む動作をされました。
ご利用者様は本当にうれしそうな表情でした。
私も、鍼灸師も正直びっくりしました。
だって、まだ体験2回しか終わってないのです。
それなのに、ゼスチャーができるくらい「手」が感覚化しているのは本当にびっくりです。
ご利用者様は、発症から10年以上の経過があり、麻痺側の上肢や手の硬さが著明でした。
初回体験時に、私が最初に気になったのは、左右非対称の姿勢の強さと、経過が長い方特有の筋や皮膚の硬さでした。
2回の体験時には、座位や立位での姿勢の対称性を整えること、筋肉の長さを出すこと、麻痺側の手に感覚を入れることを行いました。
初回体験時に、座位姿勢を左右対称に近づけると、「きゅっ」と握りこんでいた手が柔らかくなり、指や手が開きやすくなりました!
体験2回目時も姿勢を整えると、手がさらに柔らかくなり、麻痺側上肢も軽くなり、立ち上がり動作時にもしっかり両足に体重が乗りやすくなりました。
「上肢」「手」がもう少し動けるようになりたい!、硬さを柔らかくしたい!と思われる方も多いです。
そのためには、まず姿勢の「非対称性」を「対称的」に近づけることが大切であり、そうするとその方の潜在性が出現してくると感じました。
また、ご利用者様から教えていただきました。
今後もより良いサービスを提供できるようスタッフ一同がんばります。
2020.02.19
ご利用者様の報告
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」マネージャーの小林です。
当施設のリハビリプログラムは基本は鍼灸とリハビリがセットとなっています。
「鍼灸」を初めて受けられる方は「え?鍼灸?大丈夫なの」というお声もいただきます。
しかし、慣れてくると「気持ちいい!、リラックスできる」「もっと痛いかと思った。全然大丈夫!「お灸はポカポカして気持ちいい!」と変化されます。
先日、頚椎症のお客様が当施設をご利用されました。
首の動かしにくさや、いつもしびれ、冷えがあることが辛いとカウンセリング時にお話しがありました。
鍼灸の時間に首や肩の筋肉に対して、丁寧に鍼とお灸をさせていただくと「なんか、いつも寝ていても体が硬い感じがするけど、今は体が楽に感じる」とお話がありました。
鍼灸後は、手足の冷えやお顔の血色が少し良くなりました。
その後、リハビリでは、良い状態になった首や肩、背面の筋肉をさらに徒手にて柔軟性や運動を改善させていただきました。
具体的には硬く張り詰めた皮膚や筋肉に柔らかさを取り戻すように、なめすようなタッチから介入を行いました。
体験後は、手足の冷えが改善したこと、しびれが少し軽減したこと、首が動かしやすくなったことを実感していただくことができました。
「体が楽、動きやすい」と笑顔でおっしゃってくださったのが、私たちスタッフは何よりうれしかったです。
また、ご自宅で行える簡単な運動等もアドバイスをさせていただきました。
筋肉は硬い状態ではなく、血が流れるような柔らかく、適度なハリがある状態を作り出すことが大切だとご利用者様から学ばせていただきました。
今後もご利用者様に喜んでいただけるよう、スタッフ一同頑張ります。
お問い合せはお電話でも承っております。
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脳梗塞リハビリステーション滋賀
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