2025.07.08
あの夏、電車に乗った日。「もう無理」と言われたその先にあった、“一歩”の物語。
滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
来週の移転の準備のため書類整理をしていると、さまざまなことを思い出します。
ちょうど、この季節に一緒に電車に乗る練習をしたあの方のこともふっと浮かびました。
その方は、リハビリ病院を退院されるときに「一人で外を歩くのは今後絶対無理です。」と言われたそうです。
それでも、ご本人は諦めていませんでした。
退院後、ひとりで地道にリハビリを続け、しばらく経ってから、当施設に来られました。
「今は外を歩くのをひとりで頑張ってるんです。」
そう話してくださいました。
そしてぽつりと、「もともと電車に乗るのが好きで…。 いつか、電車でここに通えるようになりたい。」と。
その頃の身体は、麻痺側の足首がぐらぐらしていて、股関節にも不安定さがあり、麻痺側の足でしっかり体重が支えることが難しかったです。
また、全体的に固さが目立っていました。
そこで二次的な問題を解決するために、筋や関節の柔軟性を改善させることからはじめました。、
次に、足首と股関節の安定性を高めるトレーニング、そして体重移動の練習を繰り返していきました。
外を歩くことに少しずつ自信がついてきたある日、「電車に乗ってみたい。」と、その方は話されたのです。
その一歩を支えたくて、私は事前に練習で使用する駅のホームを下見しました。
エレベーター、エスカレーターの位置、改札までの動線、人の流れや段差…。
すべてを確認して、「大丈夫、一緒に行ける。」と、自分自身にも言い聞かせました。
迎えた当日、私も少し緊張していました。
エスカレーターに乗る瞬間、改札を通るタイミング、電車に乗るときのバランスの取り方。
そのすべてを、ゆっくりと、一歩ずつ一緒に乗り越えました。
「やった、できた!」
電車を降りたときのあの方の笑顔が、今も忘れられません。
あとでご家族様にその話をすると、「私たちにはできないことを、リハ滋賀さんがやってくれた。」と、とても喜んでくださいました。
リハビリは、ただの“機能の回復”だけじゃありません。
“やってみたい”という気持ちに寄り添い、
その方の「これからの暮らし」に向けて、そっと背中を押すことも、大切な役割だと思っています。
電車に乗った時一緒に見たあの日の夏空。
きっと私も、あの方も、忘れないと思います。
もし今、「できないかも」と感じていることがあっても、それは“終わり”ではありません。
もう一度、歩きたい。
もう一度、自分の力で行きたい場所がある。
そんな想いがふと心に浮かんだとき、わたしたちは、その一歩を一緒に考える存在でありたいと思っています。
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