脳梗塞リハビリステーション滋賀

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2025.07.01

「まっすぐ立っているはずなのに…」——麻痺側の足の“感覚”が、歩き方を変えた

滋賀県守山市にあります、自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。

今回は、脳出血から1年後の女性の「麻痺側の足の感覚から歩き方が変わった」ことをご紹介します。

 

脳出血後、1年が経過した女性。
麻痺側の感覚障害が強く、ご本人様とご家族様で懸命にリハビリを続けてこられました。
努力のかいあって、杖なしでも歩けるようになりましたが、杖の支えがなくなったことで新たな課題が。

「歩くと腰が痛くなってしまって…」
「姿勢もどこかバランスが悪い気がする」

そんな思いを抱えながら、当施設のリハビリ体験にお越しくださいました。

 

初回の印象——身体の“使い方”が崩れていた。

初めてお会いしたとき、歩行は麻痺側の足を引きずるような形。
立った姿勢では、麻痺側の足を前に出す「休め」のような立ち方になっており、骨盤や体幹は非麻痺側へ大きくねじれていました。

観察からわかったのは、明らかに麻痺側の足に体重が乗っていないということ。

 

その後、鏡の前に立っていただき、左右対称の姿勢を作り、一緒に確認してみました。
するとご本人様は驚いた表情でこうおっしゃいました。

「えっ…これがまっすぐなんですか? 私はすごく悪い方に寄っている感じがします。」

これは、「正中軸のズレ」と呼ばれる状態。
脳卒中後にはよく見られますが、ご本人様にとってはまさに“初めて気づく違和感”でした。

 

この方の鍵は、「麻痺側への感覚のとりこみ」

私たちが注目したのは、麻痺側の足への“感覚入力”の不足。
筋力だけでなく、足裏や関節からの情報が脳にうまく届いていないと、身体の正しい位置や動かし方がわからなくなってしまいます。

 

リハビリでは、感覚が取り込みやすくなるように、麻痺側の足の筋肉や足裏の軟部組織の柔軟性改善をまず最初に行いました。

その後は、麻痺側への足に体重をかけながら積み木やペグなどを使用して、感覚刺激を通して、足の存在を再認識していただきました。

最初は「わからない。」

しかし、時間をかけて繰り返すと「あれ、ここかな。」「あ、これかも。」という反応が出現してきました。

 

初回の体験後、ご本人様は目を見開きながらこうおっしゃいました。

「あっ、麻痺側の足がわかる」

 

鏡で再び姿勢を確認した際には、足からの感覚と視覚情報の違和感が大きく軽減し、

「こんなにズレてたんですね…気づけてよかった」
と、しみじみ語られていました。

 

継続して感覚と姿勢の再構築に取り組んでいく中で、少しずつ身体の使い方が変化していきました。

 

そして3ヶ月半後、ご家族様からこんなうれしい声が届きました。

「日課のウォーキング、私と同じスピードで歩いているんです! びっくりしました」

また、ウォーキング仲間からも

「歩き方、よくなったね。どうしたの?」
と声をかけられたそうです。

 

ご本人様も笑顔でこう語ってくださいました。

「麻痺側の足が今ははっきりとわかるようになってきました。」

「前は悪い方の足に体重をのせるなんてとんでもなかった。でも今は安心してのせられるようになりました。」
「絵を描くとき、画材を運ぶのも前よりスムーズに。自分でも驚いています。」

 

脳卒中後のリハビリというと、「筋トレ」「動かす」ことに意識が向きがちです。
でも、今回のように「感覚を再び感じること」が、姿勢や歩き方、さらには日常生活までを大きく変えるケースも少なくありません。

身体の感覚や中心を取り戻すことで、
「自分は大丈夫」「これなら歩ける」という安心感と自信につながっていく。

「身体の感覚を取り戻す」ことが、自分らしさを取り戻すことにつながる。

それが、私たちが目指すリハビリのかたちです。

 

▽ お悩みの方へ ▽

「もう時間が経っているから…」「がんばっているのに、変わらない。」
そんなふうに感じておられる方がいらっしゃれば、一度、リハビリ体験にお越しください。

小さな気づきが、大きな変化につながるかもしれません。

「もっと早く相談していればよかった。」とのお声もいただいております。

ますは、お気軽にご相談くださいませ。

お問い合せはお電話でも承っております。
下記の電話番号までお気軽にお問い合わせください。

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