脳梗塞リハビリステーション滋賀

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2025.06.12

「“わからなかった指”が、動き出す。脳の地図が目を覚ました日」

脳梗塞リハビリステーション滋賀の小林です。

先日体験を受けられたご利用者様をご紹介させたいただきます。

 

「左はどの指がどこか、わからないんです」
そうおっしゃったのは、脳卒中後遺症の60代の女性の方でした。
感覚の鈍さがつらく、物をつかむのも、ボタンを留めるのも苦手になっていたそうです。

 

一番困っていること。

それは、軍手が上手くはめられないため、趣味のガーデニングが億劫になっていることと、ため息をつきながらお話をされました。

 

そこで、リハビリでは感覚をメインに行いました。

内容は、とてもシンプルだけど、非常に大切なこと。
それは、タオルで、1本ずつの指をこすること。

手のリハビリで「タオルで手をこすること」はよくあります。

しかし、指を1本1本こすることは少ないと思います。

ご利用者様も「やったことない」とお話されました。

 

「これは親指」「これは中指」と、
声に出して確認しながら、ゆっくり、やさしく、丁寧に指を1本1本こすることを何度も行いました。

 

しばらくして、ご利用者様はこうおっしゃったのです。

「あっ、今こすってるの、ちゃんと“ここ”ってわかります!」

「指の間こすられると、すごく感覚がわかる!」
「なんか、動かしやすい気がします」

「難しいことしなければいけないと思っていたけど、こんな簡単なことでいいのね。」

リハビリ終了後、「タオルで1本ずつ指をこすること」をご自宅でも行うことを、ご利用者様と二人で約束しました。

 

1週間後、ご利用者様が「前より指が1本ずつわかりやすくなりました。そのせいか、軍手をはめるのが少し上手になったの!」と

うれしそうな表情で報告をしてくださいました。

 

このような体験は、脳の中の「感覚の地図」が動きはじめたサインかもしれません。

脳には、体の各部位を感じる場所がきまっています。

1980年代にMerzenichたちが行った実験で、こんなことがわかりました。

・サルの指を切断すると、その場所には隣の指の感覚が侵入

・一方で、特定の指をよく使わせると、脳の中のその指の領域が広がった。

つまり、

使わないと→他の感覚が入り込む

使えば→脳の地図が広がる

脳の変わる力です。

 

「たった1本の指」でも「タオルでこするだけのやさしい刺激」でも脳は変わろうとしています。

あきらめかけていた感覚や動きに、もう一度出会える可能性が、そこにあります。

 

もしあなたや、あなたの大切な方が、「感覚がわかりにくい」「動かしにくい」と感じているなら、
一度、その“指の声”を聞いてみませんか?

無理なく、ご自分のペースで「感じてみる」という体験の中で、脳が再び反応を始める。

そんな力を引き出せるように、私たちは寄り添っています。

 

何もしなければ変わらないかもしれない」でも、「やってみたら、変わるかもしれない」

その可能性を、ぜひ一緒に探してみませんか。

 

脳梗塞リハビリステーション滋賀では、お一人お一人にあわせた自費リハビリを提供しています。

毎月先着5名限定 特別体験プログラム3回11,000円を行っております。

まずはお気軽にお問合せ、お申込みくださいませ。

※参考文献:
Merzenich MM et al. (1983). Neuroscience, 8(1), 33–55
Merzenich MM et al. (1983). Neuroscience, 10(3), 639–655

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