2025.06.10
「手と足は繋がっている。」研究と臨床現場のリンク
滋賀県守山市にあります自費リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
お風呂の床で、麻痺側の足の指がぐっと曲がってしまう。そうなると怖くて仕方ない。
そんなお悩みを抱えていたご利用者様がいらっしゃいました。
「足に問題があるのかしら?」
ご利用者様はそう不安そうにおっしゃいました。
「足は足」「手は手」と別物に考えてしまいがちですよね。
でも、実は脳はそう感じていないかもしれないのです。
私たちの体と脳は、想像以上につながっているのです。
2021年、京都大学と量子科学技術研究開発機構の研究グループが、霊長類を対象とした興味深い実験を行いました。
実験の結果、脳の「手の感覚」をつかさどる部分を一時的に止めたところ、手でモノをうまくつかめなくなっただけでなく、意外にも離れた「足」の領域の脳活動が増加し、足の感覚が過敏になりました。
この発見は、これまでの常識をくつがえして、手と足の感覚情報処理やその異常が、実は連動することを世界で初めて明らかにしました。
詳しくは[量子科学技術研究開発機構のプレスリリース]をご覧ください。
手と足の感覚は、実は脳の中でつながっていた -脳障害による活動変化の広がりを見ることで常識を覆す発見、脳機能・疾患機序の理解へ前進- – 量子科学技術研究開発機構
この研究を知って、ふと、思い出した場面がありました。
先ほどのお風呂場で麻痺側の足の指が曲がって怖い思いをしているご利用者様のことです。
この方は足を直接リハビリするだけではなかなか変化みられませんでした。
そこで「これは、足の問題だけでは解決できない」と感じ、足だけではなく、感覚メインの手のリハビリをさらに強化しました。
数日後、ご利用者様が「お風呂場の床で、足の指があまり曲がらなくなった。すごく楽だった」と話してくださいました。
手の感覚メインのリハビリをしたことで、足の状態に影響を与えたのです。
今回の研究を知って、「あのときの変化は、脳の中の“手と足のつながり”だったのかもしれない」と腑に落ちました。
私たちのからだは、やはり“ひとつのつながった存在”。
部分ではなく、脳と感覚を通した全体のつながりとして支援していくこと。
それは、運動や動作が「できる」「できない」だけではない、本当の「脳」の回復につながるのではないかと思いました。
私たちのからだは、手も足も、感覚も運動も、ぜんぶがつながって生きています。
今回の研究や臨床の現場を通じて、それを改めて感じます。
「回復は部分だけではなく、全体で起きている。」
たとえ手だけでも、それは全身、脳を前に進める一歩かもしれない。
そう考え、願いながら、これからもお一人お一人に向き合っていきたいと思います。
脳梗塞リハビリステーション滋賀では、お一人お一人にあわせた自費リハビリを提供しています。
毎月先着5名限定 特別体験プログラム3回11,000円を行っております。
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