2025.10.24
ただ”動く”だけではなく、生活を”支える手”へ
滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
脳卒中の発症から3年。
「手が動かせるようになりたい。もう一度、自分の手で暮らしたい」
その想いを胸に、日々リハビリに取り組まれている方がいます。
初めてお会いした時はこう話されました。
「指が曲がるようになりたい」
「”ぐー”ができるようになりたい」
しかし、ただ”ぐー”ができることがゴールではありません。
その力を暮らしにつながる動きへ。
そこで、リハビリでは「ただ動かす」だけでなない「生活の中で意味のある動き」
を取り入れました。
例えば、タオルをしぼる両手の動きには、
“生活の中で手を使う”ための大切な要素が詰まっています。
力の加減、手のひらの感覚、両手の協調。
そして、「自分の手でできた」という確かな感触。
最初は、力の入れ方がつかみにくく、力が弱すぎたり、
反対に強くにぎり込みすぎたりすることがみられました。
それでも、何度もくり返すうちに――
両手でタオルをしぼると、ポタポタと水が落ちる音が聞こえ、
手のひらに伝わる水の重さや布の感触が少しずつ戻ってきました。
その“手応え”が、「できた」という確かな実感へと変わっていきます。
そして、今では新聞を持って歩く姿があります。
何気ない動作の中に、
“生活を支える手”が確かに育っています。
手が“動く”だけでは、まだリハビリの途中。
その手が“暮らしの中で役割を持つ”ことこそ、
リハビリの本当の目的だと、私たちは考えています。
タオルをしぼる。新聞を持って歩く。
その一つひとつの動作に、
「もう一度、自分の手で生きる」という願いが込められています。
今日もまた、
手の中に“暮らし”が戻っていく。
その瞬間を、私たちはそっと見守っています。
「退院後のリハビリや生活動作の困りごとがありましたら、お気軽にご相談ください。」

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