2025.12.29
「“歩くこと”が目的じゃなくなった日 ― 家族のために動ける喜びが戻ってきた瞬間」
滋賀県守山市にあります自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
発症から数年が経過した、脳梗塞後遺症の方。
その方は今年に入り、転ぶことや、些細な段差でつまずく場面が増え、外へ出ることを自然と避ける日が続いていました。
「このまま、悪くなっていくのかな…」
初回来所のとき、
ご本人様は、その不安を正直な言葉で話してくださいました。
今回は、転倒への怖さと向き合うことから
「体重がのる安心感」をひとつずつ取り戻していく過程
そして、暮らしの中に小さな役割が戻ってきたその出来事をご紹介します。
■初回来所の日
歩くことの不安や転倒への怖さのためか、
身体は強く緊張し、固めてしまうような様子が見られました。
そして
「麻痺側の足が重い感じがする」
と、率直に言葉にしてくださいました。
それでも、「家族のために、まだ何か役に立ちたい」
そんな静かな思いがありました。
■リハビリで大切にしたこと
リハ滋賀では、
・歩幅を広げること
・速く歩くこと
よりも、まずは
「体重がのる・移る感覚」
「足が支えてくれている安心感」
をひとつずつ確かめていきました。
「できる動きを増やす」より、
「怖くない一歩を、身体で感じていくこと」
を軸に、ゆっくり積み重ねていきました。
不安が強い日は、無理をせずに
足部や下肢が体重を支えられるよう準備を行い
体重をかけたときに怖くならないよう、環境を整え
足でしっかり立つ安心感を土台に
その立位を保ちながら、
ご本人様にとって意味のある両手の動作へとつなげていきました。
■ある日の帰り際に、ぽつりと出た一言
ある日の帰り際に
ご本人様が静かにこう話されました。
「スーパーに行って、家族が好きなものを買えるのが、いちばんうれしいです。」
その言葉を聞いたとき、
「歩けるようになった」以上の
“暮らしの回復” が、そこにあると感じました。
■ご家族様から届いた声
後日、ご家族様から、こんなお話がありました。
「最近、自分たちが知らないうちに
近所のスーパーへ行っていることが増えてきました。」
「洗濯物も、いつのまにか干してある日があって……」
「前よりも笑顔が増えてきて、 家族みんなで喜んでいます。」
できることが“劇的に増えた”わけではありません。
でも、
・外へ出る一歩
・家の中での役割
・表情のやわらかさ
それらが少しずつ、静かに戻ってきていました。
■作業療法士の視点
回復は
動作ができるようになること
だけでなく、
「身体の安心感」
「誰かのために動ける喜び」
が、もう一度つながっていく過程でもあります。
慎重だった一歩が
・家族のための買い物へ
・暮らしの役割へ
・日常の小さな前向きさへ
少しずつ広がっていく。
その瞬間に立ち会えたことを、
心からうれしく思います。
■わたしたちが大切にしていること
”ただ歩く”のではなく、
その一歩が
その人の“暮らし”とつながっていること。
その積み重ねを
これからも、ていねいに支えていきたいと思います。
■年始のご案内
リハ滋賀は
1月5日より通常営業・体験受付を再開いたします。
今の不安を相談したい
生活につながるリハの考え方を聞いてみたい
という方は、まずはお話からどうぞ。
無理のない範囲で、
一緒に考えていきます。

※プライバシー保護のため、写真には一部加工・編集を行っています。
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