2025.09.02
片道1時間半の学びと、ご利用者様の“筋肉が目覚めた”瞬間
滋賀県守山市の自費リハビリ施設「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
先日、猛暑のなか片道1時間半かけて、大阪で開催された勉強会に参加しました。
講師は土井鋭二郎先生。テーマは「higher reach の動作分析と治療」です。
■動作分析で学んだこと
動作分析は「難しい」「苦手」と感じる方も多い分野です。今回の学びでは、まず事例動画を見て「ぱっと感じた違和感」を大切にすることから始まりました。
違和感をただの感覚で終わらせず、事実に落とし込む。
なぜそうなるのか?効率的な運動と何が違うのか?を考える。
仮説を立て、それに基づいて治療を組み立てる。
小さな違和感こそ、問題に近づく入口になるのだと実感しました。
■個別性を大事にするハンドリング
ハンドリングの実技では「ハウツー」ではなく、その人の個別性を考えて実践することを学びました。
下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)を扱ったときのこと。どうしても上手くいかず、詳しく聞いてみると「膝の痛み」が隠れていました。思い込みや決めつけで進めず、相手の声をきちんと聞くことの大切さを改めて学びました。
■学びを臨床で活かす
この学びは、翌日のリハビリですぐに役立ちました。
ご利用者様は、麻痺側の股関節の前側に痛みを感じておられました。特に「座って靴下をはくとき」に痛みが出るとのこと。
お話をうかがいながら細かく評価していくと、最近の暑さで外出が減り、座っている時間が長くなっていたことがわかりました。その影響で姿勢は円背が強まり、コアが働きにくい状態に。さらに腰や股関節周囲の筋肉のかたさも見られました。

そこでまず、かたい筋肉の粘弾性を改善し、円背の修正に取り組みました。
その後、壁を使った立位でコアコントロールの練習を行ったとき、ご利用者様から
「怠けていた筋肉が目覚めるような感覚がある」
とおっしゃっていただけました。
リハビリ後には、靴下をはくときに出ていた痛みが消えており、とても喜ばれていました。
■おわりに
勉強会での学びは、知識にとどまらず、ご利用者様の変化に直結しました。
脳卒中後遺症でお悩みの方、そのご家族様へ。
当施設のリハビリはマニュアルではなく、一人ひとりの声や体のサインを大切にしています。
気になることがある時は、どうぞ小さな気づきも遠慮なく私たちにご相談くださいませ。
これからも学びを臨床につなげ、一人ひとりに寄り添ったリハビリを続けていきます。

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