2021.12.10
環境設定とアクティビティ
滋賀県守山市にあります保険外リハビリサービス「脳梗塞リハビリステーション滋賀」の小林です。
「立っている時に何か持っていないと怖いのです。」
足のチカラが弱いと手で手すりなどを持たないと、立っている時に転びそうで怖いですよね。
しかし、時には手のチカラに頼りすぎて本来持っている足のチカラが発揮できない場合があります。
70代のご利用者様は、足のチカラ(筋力)はあるのに、両手で支持物につかまり立位姿勢を保持していました。
平行棒での歩行が可能ですが、両手で平行棒をつっぱるようにしてから足を出しているのが印象的でした。
何も持たないで立つことは「怖い、怖い」と恐怖心があり難しい状態でした。
そこで少し環境面に工夫をいたしました。
立位保持の際にご利用者様の背面にセラピストが立ち、後ろには絶対転ばないようにしました。
また前側にはアダプターテーブルを設置し、前側にも転ばないよう環境を設定いたしました。
ご利用者様が手を使わずに立位保持が可能となりましたら、ご自分でアクティブにバランスをとっていただくために、ちょっとしたアクティビティを行いました。
100円ショップで購入した
こちらを利用してのアクティビティです。
ご利用者様の届きそうで届かない範囲ギリギリのところに設置し、数字の書いてある的にボールを投げていただきます。
なるべく、数字が大きい場所を狙っていただきました。
最初はボールは的から外れてしまいましたが、3回目くらいから外枠の数字にボールが当たるようになり、その後は内側の枠にもボールが当たるようになってきました。
回数を重ねると、ご利用者様ご自身で色々考え、大きい数字を狙いボールを当てようとする変化がみられてきました。
そうすると、背面にいたセラピストに体を押し付けるような姿勢から、徐々に押し付けが軽減し、セラピストへの依存が軽減してきました。
立っている姿勢もすっと背筋が伸びてきました。
お帰りの際の車いすからの立ち上がりや、車への移乗動作もいつもより素早くなっておられました。
また「次はもっと大きい点数に当たるようにがんばります!」と弾んだ声とニコニコした笑顔でそうおしゃってくださいました。
今回は、環境設定とアクティビティで立位保持の姿勢や、バランスの取り方に良い変化がみられました!
リハビリの中でご自身で主体的に活動すること、楽しい気持ちやワクワクする気持ちも非常に大切ですね。
今後もこのような良い変化があった事例をご紹介していきたいと思います!
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